◆角川秀樹厩舎、グランド牧場、そしてサウスヴィグラス産駒

　先週のこのコラムでは、＜ホッカイドウ競馬の開催は終了したが、2歳戦線では、前述のエーデルワイス賞、北海道2歳優駿の両JpnIIIを連勝したタイニーダンサーだけが抜けて強かったというわけでもないので、このあとの遠征競馬での活躍にも期待したい。＞と締めたが、17日に川崎で行われた2歳牝馬の地方交流重賞・ローレル賞では、まさにそのとおりの結果となった。

　単勝1.6倍の断然人気に支持されたのは船橋デビューで3連勝のスアデラだったが、これを難なくしりぞけたのが、エーデルワイス賞JpnIIIではタイニーダンサーに2馬身差の2着だったモダンウーマン。

　レースぶりも圧巻だった。いつものとおり逃げの手に出ると、ぴたりと直後を追走していた人気のスアデラが3〜4コーナーで手ごたえ十分のまま並びかけてきた。すでに3番手以下には大きな差がついていて、うしろを振り返って後続の脚色を確認したスアデラの鞍上、本田正重騎手はおそらく勝ったと思ったのではないか。見ていてもそう思えた。そして直線を向いて、2頭の追い比べ。しかし直線半ばから突き放したのは、モダンウーマンのほうで、スアデラに2馬身差をつけての完勝となった。

　モダンウーマンを管理する角川秀樹調教師が今年の門別の2歳重賞を勝ちまくったことは前回書いたとおり。その角川調教師の管理馬の中でも、特に活躍したのが、生産・馬主がグランド牧場のサウスヴィグラス産駒。先のタイニーダンサー、そしてモダンウーマン、この2頭だけで門別の重賞を6勝。さらに特筆すべきは、モダンウーマンは祖母から、タイニーダンサーは四代母からグランド牧場の生産。さらにモダンウーマンの母父スマートボーイもグランド牧場の生産・馬主として平安Sなどダート重賞5勝を挙げ、その父（つまりモダンウーマンの母父父）と、タイニーダンサーの母父アサティスまで含め、牧場が深くかかわってきたゆかりの血統なのだ。

　ホッカイドウ競馬のシーズン終了後の2歳戦線でも、角川秀樹厩舎、グランド牧場、そしてサウスヴィグラス産駒の活躍が止まらない。

　ちなみにモダンウーマンはローレル賞のあと、そのまま川崎・佐々木仁厩舎に移籍。タイニーダンサーの方は、フローラルCから中2週、中2週で重賞3連勝の疲れがあったとのことで、牧場で休養中。すでに地方の登録は抹消され、中央に移籍することになっている。

　このあとの2歳暮れから3歳にかけてのダート戦線でも、この2頭をはじめとするホッカイドウ競馬出身馬たちの活躍はさらなる注目となりそうだ。