3歳馬が有力馬の一角を占めているアルゼンチン共和国杯

2017年11月04日(土) 12:00


◆将来を担うスターが誕生するか

 大舞台に夢をかける重賞レースとして中長距離路線の将来を担うスターが誕生するかどうか、アルゼンチン共和国杯には、そうした期待がある。ただ、ハンデ戦で距離が一年に2回しかない2500米の重賞というところに微妙なぶれを生んでいる。しばしば伏兵が台頭するのも、そんなところからきている。

 もうひとつ言えることは、この10年で8頭の4歳馬が勝っていて、そのうちの4頭、アドマイヤジュピタ、スクリーンヒーロー、トーセンジョーダン、ゴールドアクターが天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念いずれかの覇者になっている点だ。出世レースと言われる所以だが、今年は2頭の3歳馬が有力馬の一角を占めている。かつてこんなことはなかった。

 これまで2頭の3歳馬が3着に入っているが、2010年のコスモヘレノスは前走で1000万を勝ったがセントライト記念では大敗していて、ハンデ51キロながら9番人気、2015年のレーヴミストラルは、ダービーは9着だったが青葉賞2400米1着が評価され、55キロで3番人気に応えていた。

 今年のスワーヴリチャードは共同通信杯1着でダービーが2着と、これまでの3歳とは実績がちがう。この5年で2頭の勝ち馬を輩出しているハーツクライが父馬というのも心強い。ギリギリに仕上げたダービーの疲れが取れず休養が長引いたが、態勢が整ったとなれば、長くいい脚がもとめられるこの重賞では、56キロでも優勝圏内にある。

 もう一頭のセダブリランテスは、3連勝でラジオNIKKEI賞を勝っているが、挫石でセントライト記念を回避、初コースで初距離のここに出てきた。54キロが魅力だが、入着候補といったところか。キャリアが浅いので可能性を広げられるか注目はしたい。

 ペースが速くはならないと思われるので、去年の2着馬アルバートにも気が向く。ハンデが1.5キロ重い58.5キロだが、東京は過去4勝しているコース、スタミナでは負けていない。出走馬の多くが乗り替わっている点に注目して、シュミノー騎手で55キロが有利なプレストウィックがどう動くか、これも見どころになりそうだ。4歳馬がいないので、あとは軽ハンデ馬の中から少し。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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