2018年05月09日(水) 18:02
▲現役トラックマン×現役ジョッキーによる、皐月賞のレース回顧
きたる日本ダービーに向け、馬サブロー・妹尾和也記者をお迎えしての“現役ジョッキー×現役トラックマン”のスペシャル対談。今週は、皐月賞のレース回顧をお届けします。先行した3頭と、4番手につけたエポカドーロ以下が大きく離れる展開。エポカドーロの後ろを進んだ佑介騎手はこの展開をどう読み、どういう展開を描いていたのか。ダービーにも大きく影響するこの一戦を、プロのふたりがそれぞれの立場から分析します。(構成:不破由妃子)
【佑介騎手!祝・GI制覇】
──続いて皐月賞の回顧に移りますが、妹尾さんの本命はグレイル(10番人気6着)で、佑介さんが騎乗したサンリヴァル(9番人気2着)は無印でしたね。
妹尾 あ、はい…(苦笑)。ちょっと穴っぽいところから入ったので、相手には人気馬も拾いたいな…と思っていたら、結果的に印が届かなかった感じです。
▲皐月賞を制したのは7番人気のエポカドーロ、戸崎騎手は牡馬クラシック初制覇 (撮影:下野雄規)
佑介 グレイルから入るあたりが妹尾さんらしい。6着ではありましたが、能力があるところは見せていましたよね。僕、京都2歳Sの追い切りに乗ったんですけど、すごくいい馬ですよ。まだまだ良くなりそうだし。展開的にはどう予想されていたんですか?
妹尾 前が速くなるだろうなとは思っていました。実際、先行した3頭のペースは速かったと思うんですけど、4番手のエポカドーロ以降が思った以上に離れて、それ以降のグループにとっては自然な流れになりましたよね。そのあたり、ちょっと読み違えたかなと。
佑介 実際、エポカがスローで逃げていたような展開でしたからね。
妹尾 ですよね。レースの前半5ハロンが59秒2で、そこからエポカまで10馬身近くあったので、エポカ自身は1分1秒くらいで行ってるんですよね。で、勝ち時計から逆算すると、後半5ハロンを59秒5前後で上がっているので、藤岡騎手も「ほぼほぼ完璧な競馬」とおっしゃっていたように、まさにエポカとサンリヴァルの位置取りがベストポジションだったんだなと。半面、後方から外を回った馬には厳しい流れでしたよね。
佑介 そうですね。立ち回り優先の競馬で、後ろにいた組はなだれ込むしかなかったというか。僕としても、あのレースがトライアルで、残すことが目的であれば完璧な競馬といえたんですけどね。そこはGIですから、やっぱり勝たなくちゃ意味がなかった。そういう意味での“ほぼほぼ”だったんです。
──前があれだけ離れていて、なおかつ有力馬が後方に待機していて、体感的にはスロー。道中はだいぶ葛藤があったのでは?・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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