「ドバイWCデー諸競走」(30日、メイダン)
今年も計6レースに日本から10頭が参戦。中でも、
ドバイターフに挑む
アーモンドアイには、国内外から熱視線が注がれている。刻一刻と迫る同馬の世界デビュー戦を前に、オーナーである(有)シルクレーシングの米本昌史代表(44)が思いを語った。
-米本さん自身は不動産業界を経て、14年にシルク代表に就任。
「さまざまな方が専門分化して物をつくるという仕組みは、馬づくりと似ていると思っています。あとは一つのチームをまとめること、パフォーマンスをどれだけ高めるかといったマネジメントは、前職と共通しているかなと思います」
-競馬の世界に入って、
アーモンドアイに巡り会えた。
「JRA
年度代表馬の表彰を受けさせてもらうなんて、何年か前までは全く思っていませんでした。このような立場をやらせていただくのは、本当に幸せなことだといつも思っています」
-
アーモンドアイの強さを最初に感じたのは。
「未勝利戦を勝って、なかなか走るなと思っていたのですが、全ての驚きが始まったのは
シンザン記念からだと思います。特に、あのレースは道悪での出遅れ。牡馬との戦いでこれは厳しいだろうなと思ったところでの、あの末脚だったので、すごくビックリしたことを覚えています」
-その後、難なく牝馬三冠を達成。続く
ジャパンカップは世界レコード(2分20秒6)での勝利でした。
「最初に時計を見て、“ちょっと待ってよ”と思ったところから、やっぱりこれが本当のレースタイムということが分かりまして…。場内も一瞬サーッと引いたあとにザワザワとなった、あの感じはすごく覚えています。馬が心配になったことが一番ですが…」
-そしていよいよ、世界に挑戦します。
「
ジャパンカップ後の回復も早く、馬体もひと回り大きくなったと評価していただいているので、あとは無事に、ゲートに入ってほしいと毎日思うだけです」
-始動戦にドバイを選択した理由は。
「
ジャパンカップの結果次第で、年が明けたら世界へ挑戦すると決めていたので、必然的にですね」
-2410メートルのシーマクラシックではなく、1800メートルのターフを選んだ理由は。
「
アーモンドアイが最もパフォーマンスを出せて、勝ちに行ける距離は千八だと、そこに尽きますね。その先のことよりも、行くからにはベストの選択をしただけです」
-(有)シルクレーシングのドバイ遠征は16年シーマクラシック(
ラストインパクト=3着)以来。現地の印象は。
「花火が上がるなど、日本の雰囲気とはだいぶ違います。馬が余計なストレスを感じなければいいな、と。コースとしては多くの日本馬が力を出していますよね。ヨーロッパとはまた違うチャレンジということで、結果を出してくれる期待は大きいです」
-ドバイ遠征後のプランは。
「正直なところ全くの白紙なのですが、とにかく今回のチャレンジの結果を見たい。今は無限に可能性があると思っています」
-日本馬の悲願、
凱旋門賞については。
「非常に魅力的でチャレンジしがいのあるレース。ただ、行くからには勝ちに行かなくてはいけません。今回の海外遠征で手応えや順応性などをしっかり見極めながら、国枝先生と相談して決めたいと思います」
-日本では今週末、
大阪杯に同じ勝負服の
ブラストワンピースが出走する。
「何とかしてどちらも見に行けないかなと思ったのですが、どんなに頑張ってもドバイからの日本到着は夕方が最短(笑)。だから飛行機の中で応援しようと思っています。すごい週末になってくれたらいいですね」
-いずれは
アーモンドアイと対戦も。
「もちろんあるでしょう。トップクラスなら行きつくところが一緒になる可能性がありますからね。ただ、今は両馬とも無限の可能性があるので、まずはお互い一つ一つのレースで、しっかりとパフォーマンスを出してくれることを楽しみにしています」
2019/3/26 6:39
代表がアーモンドアイが2400mの馬ではないということを自覚しているのは何より。
日本人の何でもかんでも凱旋門賞という考えはうんざり。
現代競馬に於いての主流はマイル~2000m路線であり、2000m路線の素晴らしいレースは海外にいくらでも存在する。