ジェンティルドンナにとっても楽ではなかった超スロー/ジャパンC

2013年11月25日(月) 18:00


◆世界のビッグレースを知る騎手たちのプラス

 予測された通りのスローで展開した難しい流れの中、昨年と同じように「ハナ差」で頂点のビッグレースを制した4歳牝馬ジェンティルドンナ(父ディープインパクト)は勝負強かった。

 多くの馬にとって、本当はもっと速く走ることができるのに…、もっと鋭い切れ味を爆発できるのに……。高速の芝コースで展開された、ずっと我慢しつづけなければならないスローペースはつらかった。勝ったジェンティルドンナにとっても、少しも楽なレースだったわけではなく、ひょっとしたら外から一気に伸びてきた若い3歳牝馬デニムアンドルビー(父ディープインパクト)にかわされていたかもしれない。素晴らしいと感じたのは、ジェンティルドンナがジャパンC史上初の2連覇と称えられたR.ムーア騎手が、今年のジェンティルドンナの強さを誉めると同時に、「正式ではない(降着となった)が、ブエナビスタがジャパンCを2度先頭で入線しているではないか」と、ごく当たり前のようにブエナビスタの素晴らしさも口にしたことである。

 牝馬スノーフェアリーで、2010年と2011年の「エリザベス女王杯」を2連勝したR.ムーア騎手は、2010年のジャパンCではジャガーメイルに騎乗し、ローズキングダム、ブエナビスタ、ヴィクトワールピサと差のない4着に突っ込んでいる。ジェンティルドンナの2連覇に大きく貢献しながら、勝利騎手インタビューで今年のことだけにとどまらず、ブエナビスタにも触れるあたりが世界のトップ牝馬を知る男の真価なのだろう。さすがというしかない。

 今回のように、信じ難いスローペースになったりすると、各馬の持ち味が明暗を分けるのはもちろんだが・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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