「京都・芝内回り2000m・18頭立て」

2014年10月18日(土) 12:00


ヌーヴォレコルトを後押しするデータ

 さぁ、今週は秋華賞。オークス馬ヌーヴォレコルトはいい枠を引き当てました。過去17回の秋華賞で4番の馬は3勝しています。しかも、そのうちの2勝は岩田騎手の手綱によるもの。まさに“鬼に金棒”状態での出走となるわけです。

 唯一心配な点と言えば、ローズS出走時の馬体重がオークスの時より減っていたこと、くらい。このパターンで秋華賞を勝ったのは、05年のエアメサイアだけです。でも、ヌーヴォレコルトは「調教の後、すぐカイバ桶に首を突っ込んでいる」と報じられていましたので、気にすることはないかもしれません。

 それはさておき、「京都・芝内回り2000m・18頭立て」というのは、けっこう厄介なレースだと思います。中山の2000mほどではないにしても、直線は短くて小回り。馬群の中に包まれたら、そう簡単には抜け出せないでしょう。

 当然ながら、騎手の腕が問われるレースでもあるはず。そこで、2000年以降に行われた「京都・芝内回り2000m・18頭立て」の全35レース(秋華賞14戦+その他21戦)と騎手の相性を調べてみました。

 すると、1〜3着に来た回数が最も多いのは、福永騎手でした。内訳は2勝して2着4回3着3回。騎乗していないレースが8戦ありましたから、27戦中9戦、つまり3回に1回の割合で3着以内に来ています。これはかなり優秀と言えるでしょう。ただし秋華賞は、01年以外17回騎乗して2着が2回、3着が1回あるものの未勝利。しかも今回、同騎手は、過去18回で3着が1回あるだけ(97年エイシンカチータ)の8番枠に入っちゃいました。ここは考えどころです。

 実は、その福永騎手を上回る“達人”がいます。それが岩田騎手。秋華賞3勝を含め5勝、2着1回3着2回という成績です。同騎手の場合、地方時代に「京都・芝内回り2000m・18頭立て」のレースに乗ったのは、04年の秋華賞(フェミニンガール=14着)だけ。中央入りした後の騎乗機会も意外に少なく、通算15戦しかしていません。それにもかかわらず、上記のとおり好成績をマーク。勝率.333、3着以内率は5割を超えています。「京都・芝内回り2000m・18頭立て」は黙って岩田騎手を狙え、ってことです。

 他では、池添、幸騎手が6回ずつ、武豊、四位騎手が5回ずつ、3着以内に来ています。ただし今年は、池添、幸騎手が不在。さらに、武豊騎手の7番枠は98年にナリタルナパークが、四位騎手の9番枠は01年にローズバドが、それぞれ2着に来ているだけ。福永騎手の8番枠同様、7、8番枠も秋華賞では“鬼門”と言えそうです。

 今回の秋華賞、軸馬はヌーヴォレコルトでいいでしょう。相手も素直にローズSの上位組、としておきます。あとは、枠順は「?」でも騎手の相性に期待して、7〜9番の馬を押さえてみましょうか。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

関連情報

新着コラム

コラムを探す