実力勝負の頂点へ/ジャパンC

2014年11月29日(土) 18:00


18頭中16頭が前走で負けている

 頂点のチャンピオンシップであるのは疑いもないが、注目度の高い「A馬、B馬と、C馬」の対決という図式ではない。「X馬と、Z馬」の雌雄を決する対戦という色合いのレースでもなく、外国馬3頭まで含め、実にさまざまなタイプのG1ホースがそろった。  衆目一致の主役ジェンティルドンナは、ここを勝つと前馬未踏のジャパンC3連覇達成となり、ドバイシーマクラシックを含めG1競走7勝となる。

 ディープ、ルドルフ、オペラオー、ウオッカと並ぶとなれば、殿堂入りも約束されるだろう。ムリして有馬記念に出走することなく、引退してしまうかもしれない。

 スピルバーグと、ドイツのアイヴァンホウ以外は、みんな前走で負けている。それも人気に応えられずに負けた馬がほとんどである。「大丈夫だろうか?」。みんなを心配させるマイナス要素をこんなに多くの馬が抱えているチャンピオンシップは珍しいことで、なんとなくこの色彩はシーズン最後の有馬記念に近いように思える。  いま、前日の昼前、1番人気のジェンティルドンナの単勝オッズが5倍近くまで(支持率が)下がり始めている。ハープスターが追いついてきた。早めに買うファンまでみんな迷っている。後のない最後の有馬記念なら、討ち死に覚悟の馬券も買ったりするが、ジャパンCで早くも心の討ち死に状態になっては、師走は持ちこたえられない。  あれこれ死角は考えず、実力勝負の頂点のG1にふさわしく、長所を再確認し、秋の最初に、ジャパンCでは良くなるはずだと展望してきたフェノーメノを買いたい。ジェンティルドンナもこの秋はいつもの休み明け以上に仕上げて始動したが、フェノーメノも天皇賞・秋から全開の仕上げを目ざした。だが・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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