NARグランプリ2014 ―地方競馬を盛り上げた関係者たちの声【動画】

2015年02月06日(金) 19:00

2月5日に都内で行われたNARグランプリ2014。年度代表馬に輝いたサミットストーンの関係者や、ギネス認定を受けた兵庫競馬の実況を務める吉田勝彦アナウンサーらが表彰された。2014年の地方競馬を大いに盛り上げた関係者たちの声をお届けします。

(取材・文:赤見千尋、写真:編集部)


【優秀新人騎手賞】石川倭騎手

NARGPレポート

 新人賞をいただけて、本当に嬉しいです。デビューしたての時には緊張したんですけど、1鞍乗って少しリラックス出来ました。同期の井上幹太がデビュー日に2勝もしたので、「持ってるな〜」と思いました。初勝利を挙げた時には、すごく嬉しかったです。その日は姉が見に来てくれていたので、姉の前で勝てて良かったです。

 1年目は30勝が目標だったんですけど、24勝だったので次の年に頑張ろうと思っていました。2年目の去年は、なるべく冷静に、周りをよく見るように心がけていました。最初は1年目と同じくらいの成績だったんですけど、後半に盛り返すことが出来て、57勝出来ました。

 初めて重賞を勝った時(イノセントカップをコールサインゼロで制覇)には、先生の指示通り乗ったんですけど、「勝ったんだ!」っていう感じでしたね(笑)。2度目の時は人気もしていたので、プレッシャーもありました。2度目の時(サッポロクラシックカップをコールサインゼロで制覇)の方が、そういう意味では嬉しかったです。

 去年はたくさん勝たせてもらって、周りの人からは「落ち着いて乗れるようになった」とか「手首が柔らかい」とか言ってもらうんですけど、自分自身ではよくわからないです。デビューしてからここまで、いい感じで来れてると思いますね。先日ケガをしてしまって、残念ながら来週の新人王には出場出来ないんですけど…。みんなにも会いたかったし、本当に残念です。

 今シーズンの目標は、去年の57勝を上回ることと、自厩舎で重賞を勝つことです!

【特別賞】大河原和雄騎手

NARGPレポート

 特別賞をいただき、大変嬉しいです。去年は3000勝を達成し、その時は「無事にここまで来られたな」という気持ちでした。30年乗っているわけですけれども、30年て言ったら長いですけど、実際の感覚としては、「もう30年経ったのか!」という感じで。振り返ってみると、初騎乗の時が一番嬉しかったです。「いよいよスタートしたな」という気持ちでした。好きなことを仕事に出来たことが幸せですし、毎日ワクワクしていましたね。こういう馬もいるんだっていう、毎日が勉強でした。

 ここまで重賞もたくさん勝たせていただきましたが、もっと勝てたんじゃないかと思います。去年はケガをしてしまい、体が泣いているんだなと思いましたけど、周りの人たちから、「待ってるから帰って来いよ」と言っていただいて…。周りの人たちのお蔭で戻ることが出来ました。

 2月14日で55歳ですから、体力的にはしんどくなっているんですけど、技術的には向上していると思います。これからも、1つでも技術を向上していきたいですね。

【殊勲騎手賞】倉兼育康騎手

NARGPレポート

 こんな賞をいただけるとは思っていなかったので、とても嬉しいです。去年はソウル競馬場での最優秀騎手賞を受賞することが出来て、すごく嬉しかったです。2014年も1年間ソウルで乗れるのならば、年間100勝というのを目標にしていました。そこを達成出来たし、騎乗数の面では2位だったんですけど、制裁面を考慮して受賞が決まったということで、本当に嬉しいですね。自分の技術でこんなにいい結果が付いて来るとは…。とてもいい一年でした。

 韓国で乗り始めた頃は、外国人が初めてで、日本人ということで、周りから警戒されている感じもありましたね。勝つと嫌なことも言われましたし、実際に騎手会から、「倉兼には乗せないでほしい」と調教師会に言われたこともあります。まぁ、海外から行ったわけですから、ある程度は仕方ないですよね。でも、たまたま運が良くて、ここまで来ることが出来ました。本当に有難いです。

 来週か再来週から、また高知で乗るので、韓国行ってダメになったって言われないように頑張ります。とりあえずは3月までに日本で乗らないと、規定を満たせなくて免許がなくなってしまうので、そこが目標です!

【最優秀勝利回数調教師】雑賀正光調教師

NARGPレポート

 4年連続でこの賞をいただきまして、とても嬉しいです。去年の最初はちょっとキツくて、この賞を獲るのは無理かなと思った時期もありました。自分のことよりも、所属の永森大智を育てたいという気持ちが強かったんですけど、それが終盤に成功して、一気に上手くなりましたね。

 馬たちが本当に頑張って走ってくれましたし、馬とファンの方々に背中を押してもらいました。今年は、今牧場で休養しているグランシュヴァリエとエプソムアーロンが帰って来たら、盤石の布陣になります。2頭とも牧場でしっかりと休養を取っているので、戻って来るのが楽しみです。数字的な目標は…、それを口にすると自分自身が苦しくなるので(苦笑)、とにかく精一杯頑張ります!

【最優秀勝率調教師】川西毅調教師

【4歳以上最優秀牝馬】ピッチシフター

NARGPレポート

 2年ぶり3度目の受賞ということで、非常に光栄です。ただ、一昨年よりも出走回数が減っているのが心残りですね。出走回数を増やして、勝率も上げたいです。出走回数が少ないということは、預けて下さったオーナーに迷惑を掛けているということですから、本当に申し訳ないです。去年は重賞を9勝させてもらってまずまずですけど、いつも目標に置いているのが、年間重賞10勝、収得賞金1億円です。今年もそこを目指していきたいです。

 ピッチシフターは去年も本当に頑張ってくれましたね。ただ去年はJBCの頃には体調が下降気味になってしまって…。やっぱり地方競馬の人間としては、JBCを最大の目標にしていますから、今年はそこで一番いいパフォーマンスが出来るようにしたいです。現時点では、今年1年で現役生活は最後と考えていますので、今年はぜひともダートグレードのタイトルが獲りたいです! 今は岩手の遠野にあるグランド牧場で英気を養っているので、馬の様子を見て、3月か4月に復帰したいと思います。

 グランダム・ジャパン2歳シーズンの女王となったジュエルクイーンは、うちに来てからまだ2戦で、力はかなりあるんですけど把握し切れていない部分があります。大井の年末のレース(東京2歳優駿牝馬5着)もしっくり来なかったし、前走(ゴールドジュニア)も勝ったには勝ったけど、底力で押し切ってくれた感じで…。いろいろ探っている中で、オーナーとも相談して、一度JRAの芝を使ってみようということになりました。2月14日のクイーンカップに向けて調整を進めています。

 僕自身としてのタイトルも大事ですけど、年度代表馬を受賞してここに来ている方もいるわけじゃないですか。すごく憧れますね。来年は年度代表馬でこの場に立ちたいです。

【最優秀勝率騎手】山口勲騎手

NARGPレポート

▲岩永千明騎手(左)と山口勲騎手(右)

 去年よりも数字的には下がったんですけど、素直に嬉しいですね。12月頭くらいになると、いつも勝率争いは意識しています。去年は締め括りの重賞(中島記念)を獲れて良かったです。いつも、馬を信じて乗るように心がけています。

 あとは園田のゴールデンジョッキーカップで初めて優勝することが出来ました。先日の佐々木竹見カップも3位で、優勝は出来なかったけど初めて表彰台に立てて嬉しかったです。目標は、ケガなく制裁なく、それで結果を残したいです。

【優秀女性騎手賞】岩永千明騎手

 初めてなので、すごく嬉しいです。2014年は一気に成績が上がったんですけど、コツコツと努力して来たことがこの結果に繋がったのかなと思うと、本当に嬉しいです。この賞は、宮下瞳さんや別府真衣騎手がいつも受賞していて、すごいな、いつかわたしも獲りたいなと思っていました。別府騎手は先日女性騎手最速で500勝を挙げて、本当にすごいですし、自分にとっても刺激になる存在です。

 去年はイギリスとアブダビで騎乗出来るチャンスがあって、とても勉強になりました。海外で、それもヨーロッパやアラブで乗れる機会があるとは思っていなかったので、すごく嬉しかったです。またこういう機会があったらチャレンジしたいですね。

 今年の目標は、まずケガなくということと、去年良かったのに今年はダメだねと言われないよう、去年以上に頑張りたいです。

【年度代表馬】サミットストーン

・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

netkeibaライター

netkeiba豪華ライター陣による本格的読み物コーナー。“競馬”が映し出す真の世界に触れてください。

関連情報

新着コラム

コラムを探す