風水師とか呪術師とか音楽家とか戦士とかを風やカーニバルで吹き飛ばせないか?

2015年02月19日(木) 12:00


チャンピオンズCでは風水師VS呪術師と見立てて、呪術師に注目したけれど、どちらも惨敗してしまった。風水師は鞍上を武豊に、呪術師は鞍上を内田博に替えて、再び激突する。

ならば、もう1回だけ呪術師に期待してみようと思っていたけど、根岸Sをエアハリファが1人気で勝った。根岸Sを1人気で勝つのは相当な芸当で、三浦騎手が中央初G1制覇を賭けて、風水師と呪術師に挑むクライム・サスペンスに変更だ! そう決意していたら、エアハリファが回避してしまった………………。

気が付いたら、風とカーニバルに期待していた。

---------------------------
カゼノコ 牡4
父アグネスデジタル
母タフネススター 母父ラグビーボール
馬名由来 風の子
---------------------------

どう見ても、冬に活躍すべき馬名だ。
カゼノコなんだから、当たり前っちゃー当たり前だけど、馬主の思いには字面以上の重みがあるように思える。

母タフネススターはカゼノコと同じヌデ嶋氏の馬で、一番稼いでくれた馬のようだ。
netkeiba.comでヌデ嶋氏の所有馬を見ると、今でも獲得賞金1位はタフネススターだ。2位にはすでにカゼノコがランクインしているから、カゼノコが獲得賞金記録を塗り替えるのは時間の問題だろう。

タフネススターは2000年〜2003年に活躍した馬で、カブトヤマ記念(G3)を勝ち、その後ローカルの重賞を中心に出走し、何度も2着3着と好走した5勝馬だった(エリザベス女王杯7着、G3成績1-3-1-1)。その母の獲得した賞金記録を10年後の今、息子が塗り替えようとしている。ちょっとドラマチックだ。

タフネススターの父ラグビーボール(母ユキノサクラ)。
ラグビーといえば、日本では冬に頂点を決める試合をするスポーツだ。その子供に牝馬でもタフネスと名付けたのはなかなかに過激だ。

つまり、母父ラグビー→母タフネスと来てのカゼノコってわけだ。
激しいスクラムから抜け出して、突風を切り裂いてトライしろ!
冬の颪(おろし)を向こうに回し、外を元気一杯にかけずり回れ!
そんな願いを感じずにはいられない。

カゼノコの父アグネスデジタルといえば、芝・ダ両刀使いで、フェブラリーSを1人気で1着するだけでなく、天皇賞秋でテイエムオペラオーを打ち負かし、香港でもG1を勝ち、地方でもG1を勝つ「田村で金、谷でも金、ママでも金」みたいな稀代の不思議系名馬だった(え?たとえがへん? アグネスデジタルやタフネススターの現役時代が、ちょーど田村亮子さんが田村で金、谷でも金してた頃だったので引用してしまいました。他に思いつかなかったもんで、すみません)。

その馬をタフネススターにつけ、子供にカゼノコとネーミングするのだから、
カゼノコには、ただ冬に活躍して欲しいというだけでなく、冬の競馬の最高峰フェブラリーSをも勝って欲しいという願いも込められていると思わずにはいられないし、そうに決まっている(決めつけ!)。

冬にこだわる馬名は、春と秋を中心に回る日本の競馬ではなかなかつけられない。ましてや代を重ねてのこだわりとなると、なかなかできることじゃない。しかも思いを込めたからといって、そうそう大成するものでもない。しかし、カゼノコは4歳にしてすでにフェブラリーSのステージに立とうとしている。

自分はロマン派ではない。聞かれれば、気取った感じで印象派でゲスと応えているけれど、ただの銭っ子だ。だからここで印象に残る競馬をしてもらい、ついでにゼニを運んできてもらいたいと思っている。

実は、この馬にはJBCクラシックのときに新喜劇ばりのドタバタのスカしを御馳走になった。
要は、JBCでカゼノコの馬券を買っていたわけだ。
結果はご存知のように7着だった。中央勢最下位。着差は2.3秒。大惨敗だ。
だけど自分が喰らった、いや馳走になったスカしは結果ではなく、その戦法だった。

地方馬10頭含む16頭立てのレースで、ほぼ最後方追走(15-14-14-11)。
前に中央勢、後ろに地方勢になりがちな交流重賞で、地方勢の後ろにつけるという思いもよらぬ戦法に、おっととっとどころではない、舞台から転げ落ちて、奈落に落ちそうになるくらいのスカしを受けたのだった。

そして息も絶え絶えに誓った。この借りはどこかで倍にして返してもらうぞ! ゼニッコよ、間違えたカゼニコよ、いやカゼノコよ!

それ以来、ずっとカゼノコを気にしている。

チャンピオンズC……はまだ足りないかな……
と、思いつつも複勝だけ購入した。
14人気で7着。
出遅れたのも重なって、またしてもほぼ最後方追走……
レースは先行した馬たちで決まった。そりゃ無理だ。

ただ着差はだいぶ詰めた。
JBCで2.3秒あった着差が、チャンピオンズCでは0.6差。
これなら次の次くらいで面白いかな?

次はきっと東京大賞典だろうな。なんせ大井のJDDを勝ってるし。
と思っていたら、そこには出走せずに(出走できずに?)川崎記念に出走した。
で、そこで2着してしまった!
(ワケあって川崎記念には参加できなかった。でも人気だったので走られてもガッカリ感は少なかった)

でもフェブラリーSのための通過点だと考えると、川崎記念2着は悪くない。ホッコータルマエと0.1差まで詰まったし、そもそも川崎記念はフェブラリーSでナイガシロにしてはいけない重要レースの1つのはずだからだ。

まとめるとこうなる・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

かしわでちょうほう

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

関連情報

新着コラム

コラムを探す