田中健騎手(2)『同タイプとどう戦うか ―逃げ馬の鞍上としての覚悟』

2015年03月16日(月) 12:00

おじゃ馬します!

▲同タイプがいた場合にどう戦うのか? 逃げ馬の鞍上としての心構え伺います

去年の秋から一気に本格化したアンバルブライベン。“どんなレースでも逃げる”田中騎手自身その覚悟を持ち、また周囲にもそのイメージが定着してきています。それだけに、同タイプがいた場合が難しいのでは? 今週は、逃げ馬の鞍上としての心構え伺います。(取材:赤見千尋)


(つづき)

短距離馬にしては珍しいタイプ

赤見 去年の秋から一気に強くなったイメージがあるんですけど、レースぶりの変化というお話がありましたが、馬体面で変わったところもあるんでしょうか?

田中 そうですね、使っても体が減らなくなりましたね。昔は使っていくと、カリカリして体重が減ったりしてたんですけど、今はレースの反動が出なくなりました。今も、いい感じにふっくらとしてます。

赤見 それは精神的な変化でもある?

田中 精神的にも成長したんだと思います。以前はゲートでも中で動いてしまって、出遅れることがあったんです。それでも速いので、前には行けていたんですけど、最近はそういうこともあまりなくなりました。むしろ、おとなしすぎてゲートを出なくなってきてたところも…。

赤見 どっしりしてきたんですかね。私失礼ながら、ずっと牡馬だと思ってたんです…。

田中 牝馬だって知らなかったでしょう(笑)?

赤見 はい(苦笑)。名前の響きも力強いし、勝手に牡馬だとばかり思っていて。

田中 実際に馬を見たら女の子なんですけどね。でも、体つきがしっかりしてるから、男馬に見えなくもないかもしれません。背も低くくないし、トモもがっちりしてる子なので。

赤見 普段はどんな子なんですか?

田中 とてもおとなしいです。ここ最近は調教にも乗せてもらってるんですけど、手はかからないと思いますね。

赤見 女の子らしい気難しさとかはないんですか?

田中 危ない感じはないですね。普段は本当におとなしくて、担当の方もやりやすいんじゃないかなと思います。

赤見 女の子で短距離馬なのに、珍しいですね。

田中 そうなんですよね。そういうところでは“1200mの馬”っていう感じはしないです。調教でも、キャンターで乗ってるとゆったりしてますし。だけど、速いところに行かすとガッと動くので、メリハリがついている馬だなとは思いますね。短距離馬ではあまりいないタイプかもしれないです。

「以前なら負けパターンでした」

赤見 レース中で難しいと感じる部分はありますか?・・・

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東奈緒美・赤見千尋

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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