中山コースこそベスト/船橋S

2015年04月03日(金) 18:00


必ずしも高速ではない現在の芝もプラス

 好走と2ケタ着順が前後する馬が多く、1000万から格上がりの9歳馬ストロングロビンサトノデプロマット、1600万入りして間がないインスペードを別にすると、ほかはみんな「近3走以内に2ケタ」着順がある、ちょっとムラで安定しない馬ばかり。人気の割れそうな組み合わせである。  前走の13着で一気に人気落ちのアンヴァルトから入りたい。  4日土曜日からJRAの所属騎手として登場するC.ルメール騎手のアットウィル(父アドマイヤムーン)にも魅力は大きいが、能力紙一重のわりに、人気は大きく異なる。

 アンヴァルト(父ヴィンディケイションは、02年の米BCジュベナイルを制した2歳牡馬チャンピオン、シアトルスルー直仔)は、もう8歳馬。芝【1-1-3-12】だが、5歳前半まではほとんどダート戦への出走で、芝に方向転換してからはまだ約2年。

 直線1000mに54秒6。芝1400mに1分20秒9の自己最高時計を記録したのは、7歳の後半であり、芝1200mに1分07秒8(自身33秒6-34秒2)の最高タイムを出したのは、8歳になった今年である。衰えうんぬんはまったくない。

 また、1分07秒8の自己最高タイムは初コースだった中山でのもの。このベテラン、地元では直線が平坦の京都コースより、坂のある阪神の成績がいいあたり、前半が速くなって差し比べになる中山コースこそベストの可能性が高い。

 その2走前のサンライズSは、直線で内の狭いところで詰まる形になり、こじ開けて出たものの外から来た差し馬に「クビ」だけ差し負けした惜敗であり、時計以上の中身があった。

 かつてはダートで好走していたくらいだから、必ずしも高速ではない現在の芝は望むところ。母方にはヨーロッパ育ちのパワーがあり、4代母アレフランス(父シーバード)は、凱旋門賞、ヴェルメイユ賞など仏13勝(うちG1を8勝)の名牝中の名牝。

 再三乗り変わって4勝はすべて異なる騎手。田辺騎手はテン乗りだが、先週までに20勝してランキング8位。プラスの方が大きいと思える。10番枠も理想的だろう。

 前出アットウィルと、単騎逃げも可能なネロ(父ヨハネスブルグ)が相手本線。アンヴァルトは5-7番人気と思えるので、トキノゲンジ、好調教エターナルムーンなどの伏兵にも手をのばしたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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