2015年05月28日(木) 12:00
自在に動けて最後もしっかり脚を使える、折り合いの不安がないのが強味、これなら距離にも対応できる。スローぺースを難なく差し切った忘れな草賞二千米は、チャンス到来を告げていたのだ。それまで弱点だったゲートも、練習を繰り返すことで克服していたから、あとは十二分に戦うだけ。この馬の方が切れるという自信があったので、最後は真っ向勝負に出たと浜中騎手が語っていたように、スタンドから見たミッキークイーンの姿は、ゆるぎないものだった。あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ、とは言っても、何もせずに待っていたのではない。一瞬の休みもなく力をたくわえていたのだ。その力がなければ、時が来ても事は成就しない。その時がいつ来るのか。実は、それが厄介なのだ。それでも時の来るのを信じて、着々と力をたくわえる人に、時が来るのは間違いない。それまで待てと言われてあせることもあり、それが人情なのだが、静かに待つ心には暖かい光が注ぐと信じたい。
「時を待つ心」を養いながら、互いに励ましあう友を持つ、競馬の場合は、一頭の馬にかかわるスタッフがそれにあたる。大レースは、そうした思いをはっきり見せてくれるのだ。「時を待つ心」が鮮明だったもう一頭のルージュバック、桜花賞に続いて一番人気を背負って戦った。大敗の後だっただけに、期するものは並大抵ではなかったろう。ゴールを目ざし、いったんは時が来たを思わせた。この敗戦からさらに期するものを大きくした。秋の戦いに期待したい。いつか時は来る。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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