2015年06月12日(金) 18:00
3歳春、共同通信杯1800mを1分46秒0。先行抜け出しで圧勝したメイケイペガスターは、皐月賞は1分58秒9(0秒9差)。キズナの勝った日本ダービーは6番人気で2分24秒9(0秒6差)だから、うまく成長カーブを描いていればずっとオープン馬として活躍していて不思議はない。
だが、行きたがる気性が災いし、距離を1400-1600mに短縮して意識的に下げるレースを展開したが、思うような結果が出なかった。
前回は4歳春に続き2回目のダート戦。格下がりして1600万下だったこともあるが、かかり気味になったので浜中騎手が迷わず途中からハナに立つと、57.5キロを背負いながら後半を「12秒0-12秒1-12秒2」。最後は馬なりにも近い脚さばきで、1分36秒3(上がり36秒3)。時計、着差が示す以上の完勝だった。
父母ともにUSA産の北米血統のフジキセキには、大のダート巧者産駒カネヒキリ、ミラクルレジェンドがいるが、共通項らしきものがあり、母方にデピュティミニスター(ND系ヴァイスリージェント直仔)の血が近いところに入っていること。
メイケイペガスターの血統構成は、祖父母の代にすると「USA産×USA産」×「USA系×CAN産」となり、祖母ラークホイッスルの父がシルヴァーデピュティ(その父デピュティミニスター)である。ダート2戦目の1600万下を快勝したように、思われている以上に高いダート適性を持つ可能性が大きい。
陣営は折り合いを心配しているコメントだが、ダートに方向転換して折り合いうんぬんはそんなに問題ではない。前回と同じように行きたがったら、行かせるのがベスト。ダートでは芝のような猛ラップを踏むことはないから、気分良く「先行する」馬にするしかない。いまさらダートでの差し馬を目ざす手はないと思える。
前回と異なり、スタートの良くないメイケイペガスターは内枠を引いてしまった。ここは誤算で、もまれて凡走の危険が生じたが、まともなレースができさえすれば、もともとオープン特別で伸び悩むような力関係ではないだろう。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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