WIN5・函館記念は意外な2頭を上位評価に!

2015年07月18日(土) 20:00


 前回の当コラムでも指摘しましたが、最近のWIN5は両極端な決着が続いています。優駿牝馬(オークス)が行われた5月24日以降の過去8回を見ると、三十万円未満の配当が前回7月12日(22万2610円)を含めて4回出ている一方、一億円以上の配当も3回ありました。ちなみに、5月17日以前の過去219回を改めて集計してみたところ、配当が三十万円未満だったのは40回(全体の約18.3%)、一億円以上か的中なしだったのは23回(同じく約10.5%)。合計しても3割弱しかない“少数派”の決着が2ヶ月近くも続いているのです。

 明日7月19日のWIN5は総出走頭数が74頭、総組み合わせ数が70万2464通り(土曜16時現在)。このままなら総出走頭数は前回7月12日と同じですし、極端に出走頭数の少ないレースがない点も共通しています。総組み合わせ数は多からず少なからずといったところ。全面的に堅く収まる可能性も、“億クラス”の高額配当となる可能性もさほど高くないように見えるのですが、極端な決着となる流れは今週も続くのでしょうか。

◆バーデンバーデンCは手広く

 1レース目は3歳以上1000万下のシンガポールTC賞(中京10R)。4歳のアトム、キングストーン、トーセンデュークあたりが上位人気グループを形成しそうです。

 2レース目は3歳以上1000万下の鶴ヶ城特別(福島10R)。前走で大敗を喫している馬が多く、比較の難しいメンバー構成になりました。

 3レース目は3歳以上GIII、ハンデキャップ競走の函館記念(函館11R)。土曜16時の時点ではエアソミュールの支持がやや抜けており、ダービーフィズ、デウスウルト、マイネルミラノ、レッドレイヴンらが続いています。

 4レース目は3歳以上オープンのジュライS(中京11R)。昨年の当レースを制したヴォーグトルネード、オープン入りを果たしたばかりのクラージュドール、トゥザレジェンド、前走で2着に好走しているベルゲンクライあたりが注目を集めるでしょう。

 5レース目は3歳以上オープン、ハンデキャップ競走のバーデンバーデンC(福島11R)。こちらも鶴ヶ城特別(福島10R)と同様に大敗直後の馬が多く、支持の割れそうなメンバー構成です。

[伊吹式WIN5ランキング 2015年07月19日版]

1位 中京10R 10.トーセンデューク
2位 福島10R 13.ゼンノヒストリエ
3位 中京11R 2.トゥザレジェンド
4位 函館11R 4.エックスマーク
5位 福島11R 6.プリンセスメモリー
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 福島11R 5.カハラビスティー
7位 福島11R 10.ワキノブレイブ
8位 函館11R 5.ダービーフィズ
9位 函館11R 11.エアソミュール
10位 中京11R 6.ベルゲンクライ
【以上すべての馬を買うと18点買い】

11位 福島10R 6.ヒラボククラウン
12位 中京10R 2.ラディウス
13位 福島11R 7.メイショウツガル
14位 中京11R 14.クラージュドール
【以上すべての馬を買うと144点買い】

15位 福島10R 5.ラピダメンテ
16位 福島10R 12.エイシンローリン
17位 中京10R 14.アトム
18位 福島11R 8.ニンジャ
19位 函館11R 16.マイネルミラノ
20位 函館11R 3.ハギノハイブリッド
21位 中京11R 3.ヴォーグトルネード
【以上すべての馬を買うと1200点買い】

22位 中京11R 10.サウンドトゥルー
23位 福島10R 3.エムエムアリオーン
24位 福島10R 16.タッチシタイ
25位 中京10R 6.キングストーン
26位 中京10R 3.ハドソンヤード
27位 中京10R 12.グッドスピリッツ
【以上すべての馬を買うと4500点買い】

 3レース目の函館記念(函館11R)は枠順を重視したい一戦。5〜8枠の馬は2010年以降[0-2-2-36]と勝ち切れていません。また、同じく2010年以降のレース傾向を見ると、前走の着順が9着以下だった馬は[0-0-1-30]、JRA、かつ1000万下から上のクラス、かつ2000mのレースにおいて優勝経験のない馬は[0-2-0-29]。大敗を喫したばかりの馬や、今回と同じ2000mのレースにこれといった実績のない馬は評価を下げるべきでしょう。以上の条件をすべてクリアしているエックスマーク、ダービーフィズの2頭はマークしておくべきだと思います。

 5レース目のバーデンバーデンC(福島11R)も混戦模様で、手広く構えるに越したことはなさそう。ただし、中山芝1200m外で施行された2011年を含む2010年以降は、前年か同年、かつJRA、かつ1000万下から上のクラス、かつ芝1200mのレースにおいて連対経験のない馬が[0-0-1-29]と苦戦していました。距離適性が高いカハラビスティー、プリンセスメモリー、ワキノブレイブを重視したいところです。

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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