面白みあるレース、そして今週

2015年08月14日(金) 12:00


関屋記念、人気薄ながら軽視してはならないのは…

 先週は面白みあるレースが多かったですね。

 まずは、5年振りの喜びとなった8歳馬ペルーサの勝利。誰もが鞍上ルメール騎手の巧みさを感じたことでしょう。もともと能力の高い馬ながらも、途中からゲートばかりに意識が注がれ、いつしか気持ちの方向性が変わってしまったように思えるペルーサ。明らかに体ではなく、心が後ろ向きになっていた印象でした。

 そんなペルーサに対し、スタート後は意識的に前へと促した後、相手馬たちの動向を見つつ、愛馬のリズムを大切にし、スムーズな形で途中からハナへと立つ内容。先頭にたってからの気持ちよさそうなペルーサの走りが実に印象的でした。

 ルメール騎手と言えば、馬上のみならず地上においても実に穏やかな性格。敵を作らず、みんなに愛される人柄なのですが、その性格の良さと柔軟性が、こうした馬にはあう気がします。それにしても携わる陣営にとっては、ホッとされる貴重な1勝、喜びもひとしおだったことでしょう。

 また新潟で行われたレパードSも、面白みある内容でしたね。

 1番人気クロスクリーガー岩田騎手の1コーナーでの冷静な進め方に加え、3コーナー手前から前を行くゴールデンバローズを意識し捉えにいく動き、シビレマシタ。

 そして馬自身も3歳という年齢で、既にどんな競馬でもできてしまう器用さと堅実さは実にお見事、改めて素晴しい馬だなぁ〜と再認識しました。また2着に敗れはしたものの、ダノンリバティはダート適性を感じる内容で、今後が楽しみになってきました。

 一方、逆に心配になってしまったのがゴールデンバローズ。返し馬で見せた背中をそるような走りと、3着馬にもさされてしまうあたりには、状態がまだまだなのかな…と思える内容。

 海外遠征の後遺症なのか? 本来のデキではない気がし心配ではありますが、管理するのは堀厩舎。それだけに、今後どう立て直してくるのか? その点も注目です。

 さて今週末の新潟競馬場では関屋記念となります。

 取材を通して状態の良さを感じたのはエールブリーズ。人気薄となりますが、前走は自分の形ではない中で4着と踏ん張っていましたし、軽視してはならない気もします。

 それでは皆さん、週末は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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細江純子

愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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