2015年08月28日(金) 18:00
昨年のレパードSを「1分50秒4(ヤヤ重)」で圧勝したアジアエクスプレスは、あのあと強敵相手もあるが【0-2-0-1】。なかなか絶好調、完調という状態になりきれないところがある。今回は3週連続して美浦のWで長めを追って仕上がったが、最高で9分くらいか。それでも57.5キロのハンデが妥当と思える能力は上位だが、あえて2番手にとどめたい。追い出しての躍動感もう一歩の気がした。
昨年のレパードSを1分50秒4(上がり35秒6)で完勝したアジアエクスプレスに比較すると、今年のレパードSを良馬場とはいえ1分52秒0(上がり37秒7)で2着にとどまったダノンリバティの内容は完全に1-2ランク下である。
ただし、ダート4戦目だった前者に対し、ダノンリバティは初ダート。もまれる危険を回避するため意識的に終始外を回ったロスもあった。並びかけようとしたクロスクリーガーに一度は突き放されかけたが、ゴール寸前もう一度追いすがって0秒1差だった。
2頭ともに、ダートも芝も平気でこなすが、基本能力がかなりはっきり出ることの多い3歳春の皐月賞2000mで、2014年のアジアエクスプレスは前半1000mを推定60秒5で通過して「2分00秒0(上がり35秒5)」だった。一方のダノンリバティは今年15年の皐月賞を前半1000m通過推定60秒0前後で追走し、1分59秒1(上がり34秒5)でまとめている。
ともに完敗で、相手やレースレベルもあるから、あまり意味のない比較だが、どっちが上とかではなく、負けっぷりから2頭の中距離での基本能力はだいたい同レベルではないかと推測したい。そこに初ダートの内容、中間のさらに鋭さを加えたと思える動き、ハンデ差「4.5キロ」を考えると、アジアエクスプレスのダートの力量を十分に評価しつつも、買うならプラスの大きい3歳ダノンリバティの方ではないかと思える。幸い、もまれる危険の少ない外枠からの発走。アジアエクスプレスをマークできる位置で進めたい。
4コーナーを回って射程内にいるなら、ハンデ4.5キロの差を生かせるはずである。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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