自分のリズムで先行できれば/新潟2歳S

2015年08月29日(土) 18:00


積極策に出る可能性大

 金曜日の夜から土曜日の午前中にかけてかなりの降雨があったため、土曜日のダートは水の浮いた「不良馬場」でスタート。しかし、水はけが良く、昨年の紫苑Sを除き、もう何年も不良馬場になったことがないとされる芝コースは「稍重」止まり。表面はびちゃびちゃに見えるが、馬場状態を決定する地盤には水分は少ない(溜まってはいない)という意味である。日曜日には回復して、気持ちだけタイムがかかるかも、という程度の良馬場だろう。

 スローから、直線660mの攻防に集約される「新潟外回り1600m」のレースパターンが、近年になるほど自然で、かつ当然の流れになっている。良馬場の最近6年間の平均勝ちタイムは「1分34秒0」。12月の朝日杯FSより速いが、レースバランス平均は「47秒7-46秒3」であり、4コーナーにさしかかる1000m通過は「60秒0」、上がり3ハロン(直線)平均は「34秒0」。2歳馬だから道中で揉まれるロスを極力避け、最後方から直線は一番外に回って追い込む好走例がもっとも多い。

 だが、そっくり同じパターンが完成されていた2週前の「関屋記念」は、押し出されるようにハナに立ったレッドアリオン(川須騎手)が先導すると、400m通過から1400m地点までに刻まれたラップが「11秒7-11秒5-11秒4-11秒2-10秒7-」。ひとハロンごとに少しずつペースアップとなり、この間の1000mは「56秒5」となった。あんまりペースを落とし過ぎては……。川須騎手のごく普通のペース判断が大正解。歩調を合わせた人気の差し馬はなし崩しになり、遅れてスパートしたマジェスティハーツが2着に突っ込むことになった。

 古馬と、2歳馬のレース運びや体力は異なるものの・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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