ダート適性を見せたディアマイダーリン/クイーン賞

2015年12月10日(木) 18:00

ディアマイダーリン

(撮影:高橋 正和)


1コーナーで見せた鞍上のファインプレー

 レースをつくったのは、地元船橋のノットオーソリティだった。前走JBCレディスクラシック(6着)では出遅れたものの、今回、他に行く可能性のある馬が隣のセイカフォルトゥナくらいしかいなかったため、引き続き鞍上となった高知の赤岡修次騎手は、可能性として逃げることも考えていたのだろう。互角のスタートで少し気合を入れると、すんなりと先頭に立った。

 スタート後は中団だったディアマイダーリンが1コーナーを回るところで外から一気に先頭に迫ったが、さすがに横山典弘騎手だけに、先日のチャンピオンズCのようにレースを壊すようなことはしない。すぐに控えて2番手、そして3番手に人気のトロワボヌールで隊列が決まった。

 刻んだペースが絶妙だった。普通なら1コーナーに入るまでの先行争いで2Fめのラップが上がるものだが、ノットオーソリティが先頭ですんなり決まったため、最初の2Fのラップは12秒1、12秒2というもの。3Fめからは綺麗に12秒台後半のラップが並ぶ淡々とした平均ペース。ゴール前の1Fだけは13秒2だが、結果的に前に行って最後まで止まらなかった3頭が追い比べとなっての決着だった。

 最後に外から差し切ったディアマイダーリンは、流れが速くならないと見て1コーナーで先頭に並びかける位置まで進出した鞍上のファインプレーだろう。今回初ダートで、近2走がG1とはいえ2桁着順だったため中央勢ではもっとも人気がなかったが、菊澤調教師によると、入厩当初から芝よりダートのほうが合うようなフットワークをしていて、機会があればダートは使ってみたいと思っていたということだった。

 トロワボヌールもゴール前でうまく内から伸びたが、ディアマイダーリンにクビ差及ばず・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

関連情報

新着コラム

コラムを探す