【C.ルメール×藤岡佑介】第4回『若手の海外進出とジョッキー界の活性化』

2016年06月29日(水) 18:01

with 佑

▲ルメール騎手との対談最終回、今回のテーマは「国外の競馬に挑戦する意義」

ルメール騎手をお招きしての対談も今回が最終回。前回は佑介騎手の長期フランス遠征について語りましたが、今回のテーマは「国外の競馬に挑戦する意義」。佑介騎手が海外に目を向けるのは自分自身のためはもちろん、有能な若手が海外に羽ばたく道筋を作りたいという思いがあります。そのためには何が必要か? 世界を知るルメール騎手が「若手に足りないと感じていること」などズバッと示します。(構成:不破由妃子)


(前回のつづき)

世界の競馬関係者の、日本人騎手のイメージ

佑介 豊さんには、フランスに行く前にもいろいろ話を聞く機会があって。そのときに言われたのが、「海外に行くと、向こうで何をしてきたかを知りたがる人が多いけど、本当に大事なのは、帰ってきてから何ができるか」だって。

クリストフ 僕もそう思うよ。言葉で具体的に表すのは難しいけど、経験を積むことで、その人が醸し出す“何か”が変わってくる。

佑介 一昨年の秋、フランスから初めてブドーが日本に乗りにきたじゃない? 彼にとって、いい遠征だったかといえば決してそうではないはずだし、成績自体も物足りない数字だったと思う(73戦9勝)。でも去年、初めてフランスでリーディングを獲って、今年も上半期だけでぶっち切り。日本での経験が何らかの糧になったはずだし、それこそ「帰国後に何ができるか」という点で結果を出した。

クリストフ うん。さっきも言ったけど、実際、僕もかつては日本での経験が大きな力になったからね。

佑介 ブドーって確か、まだ23歳だよね。そうやって海外の若手も日本にきて頑張っているんだから、逆があってもいいと思うんだけどなぁ。もちろん、日本人ジョッキーがフランスで有力馬に乗ることがいかに難しいかはわかっているけど、僕は日本の若手のなかにもすごくいいジョッキーがいると思ってる。彼らの海外進出も含め、この先、日本のジョッキー界がより活性化するために、何かいいアイデアはある?

クリストフ アイデアの前にひとつ言えるのは、世界の競馬関係者のなかで、日本人ジョッキーはちょっと、外国人騎手に比べて筋肉量が少ないイメージがあるみたい。

with 佑

▲「世界の競馬関係者のなかで、日本人ジョッキーは外国人騎手に比べて筋肉量が少ないイメージがあるみたい」

佑介 ああ、なるほど。確かに外国人ジョッキーに比べれば線は細いよね。

クリストフ うん。海外の関係者は、みんな見た目的な筋肉が必要だと思っているからね。もし、そのイメージが災いして乗せてもらえないんだとしたら、そのイメージを払しょくするために、もっと筋肉を付ける努力をしてもいいんじゃないかな。正直、僕個人としては、それほど筋肉ムキムキである必要はないと思ってるよ。実際、豊さんはスリムだけど、あれだけ追えるわけだから。・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

「with 佑」とは

JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

藤岡佑介

1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

関連情報

新着コラム

コラムを探す