乗馬経験も豊富な、キングズガードの寺島良調教師にインタビュー!

2017年08月01日(火) 18:00

キングズガード

キングズガードでプロキオンS優勝!寺島良先生(左端)に話をお聞きしました!(C)netkeiba


モットーは「楽しんで仕事をすること」

 先週から小倉競馬も始まり夏真っ盛り、夏競馬も真っ盛り。

 僕は7月11日から17日まで、オランダへ乗馬の体験に行ってきました。初めてだったので何もかも珍しくウロウロしていました。雨が多かったのが少し残念でしたが、乗馬は、たっぷりできて満足!

 どう説明していいかな?日本とは乗馬に対する考え方や取り組みが全く違っていました。庭先で犬や猫が遊ぶように、馬が庭先にいる生活。そして2,3歳の子供がすでにタキシードを着て大会に臨んでいました。小さいけどかっこいいし手綱さばきが上手いんだよね。見とれてしまいました。

オランダ1

乗馬の大会に臨んでいた、オランダの若きジェントルマンたち

 何とか僕も馬に慣れ、騎乗することができて満足でした。もう少し近かったら何度も来たいなーと思いました。技術面まで自分のものにできたかどうかは分からないけど未熟さを痛感し、もっともっと勉強することあるなーと実感しました。

 オランダの街は全体がしっとりしていて、とても静かな街並みでした。大聖堂もダイナミックでした。日本のお寺もすごいけど、こちらは石造りの重量感がありますね。

 パラリンピックに向けて、またオランダで乗馬ができるように頑張ります。応援してくださいね。

オランダ2

またオランダで乗馬ができるように頑張ります!

***

 乗馬と言えば、今週は寺島良厩舎へ、プロキオンS(G3)を勝った「キングズガード号」のお祝いに行ってきました。先生は北大の馬術部の主将?副主将?をしていたそうです。僕としては競馬と馬術、両方の話をお聞きしたかったのですが、今回は我慢ガマン…。

常石 「キングズガード号」プロキオンS(G3)優勝おめでとうございます。開業が昨年の9月なので約1年で重賞制覇、すばらしいですね。

寺島 ありがとうございます。田中章博先生から引き継いだ馬を調教してきたので、勝てて嬉しいです。今思うと、嬉しいというより安堵の気持ちの方が大きいですね。ほっとしています。スタッフともみんなで喜びを分かち合うことができ、親近感がより強くなりました。

常石 開業に当たり、先生の抱負は何でしたか?

寺島 モットーにしていることは、楽しんで仕事をすることが大事だということです。仕事を楽しむって結構難しいことかもしれないですよ。重賞を勝つことで、してきた仕事に対して誇りを持つことができ、より一層仕事が楽しくなる。馬にもいい影響を与えますね。

常石 良く分かります。1つ勝つとまた頑張ろう!と思いますよね。

寺島 そうそう、その気持ちが大事なんですよ。しっかり結果を残すためにスタッフとよく話し合って考えています。いい馬ばっかりなので大事に育てたいと思うのと同時に、新馬も楽しみにしています。

 僕が新馬から管理するのは初めての世代になるので、自分の持つイメージでやりたいと思ってます。オーナーと一緒に北海道へ行き「これぞ!」と思う馬を見つけてきました。とっても楽しみにしています。自分が寺島厩舎のリーダーとは思っていません。スタッフみんなでやってるのでみんなの力が必要です。

タンロン1

寺島厩舎が一から管理する2歳新馬の1頭・タンロン

常石 厩舎運営はとっても難しいと聞いていますが、先生のお話を聞いているとスタッフみんなの力で運営されているなーと感じます。僕より年齢が下なのにしっかりされていますね。尊敬します。ラグビーの五郎丸選手にも似ていますね。

寺島 いやいや、そんなかっこいいことないですよ。ただ一生懸命やっているだけです。大久保龍志先生、松田国英先生、そして田中章博先生にお世話になる中で、調教をしっかりやるスタイルやレースに向けての調整方法、馬の仕上げ方などたくさん学ぶことができました。学んだことと自分の考えること、スタッフの意見などを取り入れて馬第一主義の気持ちで行きたいと思います。

常石 先生は乗馬経験も豊富ですよね。乗馬は馬づくりの基本とされているので役に立つことが多いんではないんですか?僕にも馬に遊ばれないコツなど教えてください。

寺島 学生時代はまだまだ甘いですよね。常ちゃんも乗馬にチャレンジしているそうですが…コツと言えば、馬を動かそうとするのではなく馬の持つ力を信じて、馬の動きの邪魔をしないことかな?

常石 難しいですね。麻痺があるので力が弱いと思い込み、入りすぎてしまうんですね。だから極端な動きになってしまいます。乗馬はスムーズで綺麗な動きが要求されるんですが、僕が騎乗すると昔のロボットのようにガクガク、ギスギスって感じかな?

寺島 現役の時は馬を信じて乗ってたでしょう。思い出してください。

常石 ありがとうございます。

 先生と写真撮るの忘れてしまいました。残念。代わりに新馬の写真を撮らせてもらいました。キングズガードも夏休みの放牧に出てるので一回り大きく成長した時の写真を楽しみにしています。

 小倉開幕週に5頭を送り出した寺島厩舎。新馬も楽しみです。早速先生がじっくり選んだ2歳馬を見せていただきました。

 タンロンという名前で芦毛の馬ですが、まだ若いので芦毛だとわからないくらい、黒鹿毛かなと思うくらい黒い部分が残っていました。体つきはもう立派で仕上がっている雰囲気はありましたが、顔はまだ幼い、甘えん坊な雰囲気でした。カメラを向けるとポーズを取ったり大あくびをしたり、あどけない可愛い馬でした。

タンロン2

カメラを向けるとポーズを取ったり、大あくびをしたり…

「飼い葉もよく食べて素直な性格。デビューの予定はまだ決まっていませんが、先生と同じくこれからどう成長していくか楽しみです。新馬は18頭いますがどれも期待をかけています。スタッフみんなで頑張ります」と中島厩務員が話してくれました。

「厩舎は、大久保厩舎の跡地なので使いやすいし、パワーももらえるようでいいご縁です。馬のつながりは面白いですよね。また来てやー」ととっても気さくに話してくれました。秋が楽しみな注目厩舎です。

***

 秋の楽しみがもう一つあります。新しいスタンドが見え始めました。施設もかなり良くなってるそうなので楽しみです。

つねかつこと常石勝義でした。

スタンド

秋の楽しみがもう一つ…栗東トレセンの新しいスタンドが見え始めました

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常石勝義

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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