2017年08月02日(水) 18:01
▲小林智調教師が、JRAではなくフランスでの道を選んだのはなぜなのか? その秘話に迫ります
2008年にフランスの調教師試験に合格し、免許を取得した小林智調教師。なぜJRAではなく、道なき道のフランスを選んだのか? 今回は、小林師がフランスで開業することとなった秘話に迫ります。「“日本人初”っていいじゃない」と、あくまで“一人目”にこだわった小林師。「先生の生き方に一番影響を受けました」と佑介騎手も語る、小林師の生き様とは。(取材・構成:不破由妃子)
(前回のつづき)
佑介 小林先生が歩まれてきた道はまさに“道なき道”だったわけですが、卓越した行動力でここまで切り開いてこられた。だって普通、フランスで調教師になろうなんて思わないですもん。
小林 僕だって最初はJRAの厩務員課程の試験を受けたんだよ。でも3回落ちた(笑)。点数を取れていた自信はあったから、そのうち受かるだろうと思っていたんだけど…。そのときに働いていた牧場(コアレススタッド)の社長さんが世界中に馬を持っている方で、何度か海外研修にも行かせてもらってね。世界を見ているうちに、当時は日本の馬が今ほど海外遠征をする時代ではなかったこともあって、“このままトレセンに入っちゃったら、面白くないんじゃないか”と思い始めて。それで試験を受けるのを止めたんだよね。
佑介 それで言葉も話せないままフランスに?
小林 そうそう。行ったばかりの頃は、「メルシー」と「ボンジュール」くらいしか話せなかった(苦笑)。
佑介 言葉の苦労は僕もわかります。大変とかいう以前の問題ですからね。
小林 でも、佑介くんは覚えるのが早かったよね。物怖じせずに、自分からどんどん喋りにいくから。
佑介 いやぁ、最初は「俺、やっていけるのかな?」って本気で思いましたよ。先生は渡仏されてから語学学校に通われたんですよね。・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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