2017年08月29日(火) 18:00
ダイアナヘイローの福島厩舎と、シロニイの池江厩舎へ行ってきました
24時間TVを見ながら競馬中継も観戦。チャンネル回転大忙し。今年の24時間TVのテーマは「告白」でした。皆さんは誰かに告白したいことありますか?僕は、ずっと考えていましたが、タケイチケントウ号に告白したいと思いました。
1997年、7/13の新馬戦から、8/31に2戦目の小倉3歳S(現・小倉2歳S、GIII)を連勝。その強さからダービーへと夢を膨らませた馬でしたが、それ以降勝たせることができませんでした。僕が初めて重賞を取らせてもらった貴重な相棒です。
初めて重賞を取らせてもらった貴重な相棒・タケイチケントウ
「タケイチケントウ元気か?1997年にタイムスリップしてダービーへ挑戦したいな!夢はかなわなかったけどケントウのおかげで元気になって、また馬に乗れるからうれしい!ありがとう!」
小倉競馬場の最終日の重賞レースでした。この日を最後に小倉競馬場の改修工事が始まり今の快適な小倉競馬場に生まれ変わりました。レース後、ファンの皆さんと一緒にターフを歩き、最後に旧競馬場を愛おしみました。旧競馬場はパドックもレース場も身近で、和やかな雰囲気で、大好きでした。
小倉3歳Sは2歳Sと生まれ変わり今週末に行われます。これが終わると夏競馬の終止符です。古い話に付き合っていただきありがとうございます。
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小倉競馬場を盛り上げてくれた福島厩舎のダイアナヘイローと豊騎手。誘導馬のメイショウカイドウ号の引退セレモニーで、最後に豊騎手が跨る雄姿も見どころでした。やっぱり絵になりますね。
いやいや、余談はさておき、ダイアナヘイローは強い競馬をしましたね。4連勝で秋競馬が楽しみになってきました。早速福島厩舎を尋ねると、調教から帰ったダイアナヘイローがキレイにしてもらいながら、馬房で黙々と飼い葉を食べていました。
担当の原田助手に話をお聞きしました。
常石 北九州記念優勝、おめでとうございます。鼻前で話していても大丈夫ですか?関係なく黙々と飼い葉を食べていますね。
原田 ありがとうございます。大丈夫ですよ。疲れが残ってるはずだけど、しっかり飼い葉も食べてくれるのでそれを感じさせないんですよね。強い馬になってくれました。
常石 今回の勝ちっぷりは見事ですよね。4連勝は楽しみですよ。ずっと豊騎手ですか?
4連勝で北九州記念を制したダイアナヘイロー
原田 はい。この馬のことは良く分かってくれているので、馬の良さを引き出してくれています。馬にストレスを与えない乗り方がすごくいいなと思います。夏は牝馬が強いと言いますが、ヘイローもそれを証明してくれましたね。元気のバロメーターは、飼い葉食いの様子で分かるので扱いやすいです。
常石 以前は逃げの競馬をしていましたが、あまりいい結果が出せなかったんですよね。
原田 もともと軽快なスピードが武器だったのですがうまく使えなくて、馬もスタッフもモヤモヤしていた時期がありましたね。5戦目で初めて1200mを使って4馬身差圧勝。高いスプリント能力を見せてくれたんですがその後が上手くいかず、競馬は難しいなーと思いましたよ。力はあっても、展開や相手によって十分な力が出せませんでした。馬に過度な期待をかけ、プレッシャーを与えていたのかもしれませんね。「走りたい時に走ってくれたらいいよー」というぐらいの気持ちで接するようにしてきました。
常石 どのあたりから変わりましたか?
原田 ゆったりと接することでヘイローも伸び伸びして、牝馬らしい肝っ玉の大きい馬に変化してきたように思いましたね。6/3に阪神競馬場で、豊騎手の手綱で500万を逃げ切り、目が覚めたようにガラッと変わった競馬をしてくれました。それから連勝。控える競馬をマスターしてから本来持つ力を発揮してくれるようになりました。今回も小倉で滞在しゆっくりさせたのがいい結果につながったと思います。
常石 秋が楽しみになり視野が広がってきましたね。福島先生が今年度で引退されるとお聞きしましたが、重賞を制覇したヘイローで秋に臨み、華を添えられそうですね。
原田 そうなんですよ。スタッフみんなでいい結果を出していこうと気合を入れているんですが、先生は平常心なんですよね。「盛り上がってるのは俺だけか?」と思うくらいです。長年馬とともにこの世界にいる方なのでいつも変わらないんです。馬が元気で走ってくれたら嬉しいことだと。さすが先生ですよ。いつも平常心でいることはなかなかできないことだから偉大な先生だと改めて思います。だから俺も頑張ります(笑)。
常石 僕も経験したことがあります。僕の調教師、中尾正先生も、馬も人も無事に終えられることが幸いだと。「僕はここで一旦この仕事から離れるけど馬も人もこれからもっともっとつながっていく。それを大事にしてほしい」とおっしゃっていました。福島先生も同じ思いなんでしょうね。
原田 そうなんですよ。ここにいる馬を引き続き無事に走らせその上で「結果がついてくるといいね」と良く言われています。ヘイローは短期放牧に出てから秋競馬に備えます。マイペースの馬なので、放牧でどう変化してくるか楽しみです。まだ次走は決まっていませんが、とにかく期待しています。
常石 名前もいいですよね。
原田 キングヘイローの子供ですね。名前に負けないくらい銭形も浮いて、張りのある馬体で、パワーアップしています。
原田助手「銭形も浮いて、張りのある馬体で、パワーアップしています」
常石 お尻から腰にかけてのラインもグンと盛り上がりきれいな馬体です。
原田 ありがとうございます。骨格もしっかりしているので崩れることはないと思います。
常石 ますます楽しみが膨らんできましたね。原田さんの「アカン時はアカン。ゆっくり進もう…」という気持ちがヘイローに伝わり、自分の力を伸び伸び発揮している様子がよく分かります。今後も楽しみにしています。またお邪魔していいですか?
原田 他にも楽しみな馬もいるのでどんどん取材してください。よろしくお願いします。
常石 ありがとうございました。また来ます。
とっても優しくヘイローと話している様子を目にすることができ、ヘイローの強さの秘密はここにあるんだなと思いました。
福島厩舎から池江厩舎をそっと覗き見に行くと、ちょうどシロニイが調教から帰ってきました。白からピンク色に変化していて、綺麗なピンクパンサーに出会った感じで感動していると、サトノアーサー担当の田重田助手も帰ってきました。
おもシロニイ(笑)表情のシロニイ
常石 田重田さん、サトノノブレスに同行してフランスへ行かれたんだと思っていました。
田重田 子供が生まれたばかりだったし、厩舎運営のこともあるので留守を守ります。みんなで馬のことは見ていますから今回も楽しみにしているんですよ。
凱旋門賞に向けて、池江厩舎のサトノダイヤモンドとサトノノブレスが無事にフランスに到着したとのニュースが。アムステルダムから馬運車で移動したとのこと。「えっ、先月僕はそこにいたんだよなー」と親近感を覚えました(乗馬でアムステルダムにいただけで、何の関係もないですが)。いよいよ始動です。楽しみが倍増してきました。
池江厩舎の皆さんは声を揃えて「フランスで頑張ってもらうためにも、日本でも頑張らないとね」とコメント。池江厩舎の団結力の強さをビリビリと感じました。
2着が多く悔しい競馬になることも多いですが、愛嬌たっぷりのシロニイを見てください。ずっと見ていても飽きないシロニイ。レースの時とは違った顔を見せてくれました。動画でお届けしたかったですね。
ピンクパンサーになったシロニイをパチリ
シロニイの青い瞳
次走の予定が決まり次第、取材をお願いしているので、コラムでまた話題をお届けしますね。
余談が多くなったコラム、失礼しました。皆さん夏競馬最後の週をお楽しみください。
P.S. 今朝早くミサイルが飛んできたニュースにびっくり。特に北海道の皆様、気をつけてください。
つねかつこと常石勝義でした。
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常石勝義
常石勝義 1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。
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