2017年10月03日(火) 18:00
▲スタッフの村岡さんに身体を寄せるエイシンチャンプ
繊細かつG1馬のプライドを持ったエイシンチャンプは、繋ぎ馬などで隣にいる馬に喧嘩を売るタイプだという。だがザブレス(セン18)という馬は「喧嘩を売られても全く気にしないタイプで、チャンプとは喧嘩にならないですね」(中村さん)。
ザブレスも元競走馬で、サクラバクシンオーを父に持ち、2002年に中央競馬でデビューしている。中央時代は1000万条件の特別レース2勝を含めて16戦5勝の成績を挙げ、2004年に南関東へと移籍。遠征した盛岡の岩手県知事杯OROカップで2着に入るも、勝ち星を挙げられないまま2005年4月29日のレースを最後に引退している。
「ザブレスは来た頃からずっとチャンプと繋ぎ馬で隣同士です。よく一緒にいて平気だなと思うのですけど、チャンプが怒っていても、ザブレスは本当に気にしないので喧嘩にならないんです。ザブレスが先輩だからなのか、チャンプを相手にしないんですよ。面白いですよね、馬同士の関係って」
繊細で難しい面のあるエイシンチャンプは中上級者向けの乗馬として活躍しているが、ザブレスにはもっぱら初心者が乗っているという。
「調馬索で行う初心者の方の最初のレッスンで使っています。成績はチャンプの方が優秀ですけど、そういう面でもザブレスの方が先輩という感じですね。チャンプより少し大人なのかもしれません」
喧嘩を売る原因については「こっちを見た、見ないとかその程度のことだと思うのですけど(笑)。他の馬がチャンプの方を向いただけでも怒りますので(笑)。もう少しおおらかになってほしいですけど、なかなかそうはいかないですね(笑)」
チャンプの両隣のうちの1頭がザブレスなら、もう1頭はコスモワイルド(セン8)だ。
「この馬は若いのに性格がボヤーンとしていて、こちらもザブレス同様、気にしないタイプです(笑)。チャンプには相当怒られてますけど、それでも気にしない(笑)。ゴールドシップと同じレースで走ったことがあると聞いています」
どおりで馬名に聞き覚えがあるわけだと、改めてデータベースを調べてみると・・・
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佐々木祥恵
北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。
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【祐一History vol.17】『エイシンチャンプか、ネオユニヴァースか』
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