有馬記念は、自分の心情を大切にするのが一番

2017年12月23日(土) 12:00

【年末年始の更新スケジュール】

 今年の更新は本日分で終了です。年末の30日は休載となり、年明け6日が初回の更新となる予定です。


◆語り継げる一戦になることを期待したい

 引退の花道を7冠達成で飾れるか、これ一色と言ってもいいこの大一番。有馬記念はキタサンブラックのラストランに全ての関心が集まるが、この秋のローテーションはかなり厳しいものだった。それでも、粘り強く期待に応える、応えてほしいという人の思いが、この馬を支えてきた。有馬記念を前に引退が決まっていて勝利した馬は、これまでに11頭。そのうち、1番人気での達成は、古くはメイヂヒカリ、ホマレボシ、シンザンの昭和の3頭と、シンボリクリスエス、ディープインパクト、オルフェーヴルの平成の3頭で、合わせて6頭いた。あのオグリキャップは、秋の不振から限界説がささやかれ4番人気での感動のラストランだった。だが、今年はそれに相当するものはいない。

 今年のキタサンブラックに近いケースと言えば、単勝オッズ1.2倍で最高のパフォーマンスで完結したディープインパクトだ。ファン投票でこれまでで最多の12万4千票を集めたキタサンブラックは、当日のオッズがどれ位になるか。どちらも武豊騎手、悔いのないラストランをと燃えている。コンビを組んで11戦6勝、今年は春秋の天皇賞で力強い走りを見せた。オグリキャップの感動の引退レース、ディープインパクトのラストランでの無敵ぶりを演出した彼が、どんな気持で戦っていくのか、そこに思いを馳せる一番だ。そして、しっかりその印象を胸におさめておきたい。

 春のグランプリ宝塚記念と有馬記念を同じ年に制した馬は9頭、その中で2桁の大敗から巻き返した馬はイナリワン、メジロパーマーの2頭いる。このケースに入るサトノクラウンは、4年ぶりに有馬記念に乗るムーア騎手で挑んでくるので不気味だ。

 世代交代、ニューヒーロー誕生なら3歳馬の大躍進に期待することになるが、今年出る3頭の中では、ダービー2着で前走古馬を一蹴して食欲旺盛なスワーヴリチャードだ。

 有馬記念勝利のストーリーに入る資格はある。そしてもう一頭、かつて三冠を達成したディープインパクトをこの舞台で破ったハーツクライを父に持つシュヴァルグランが、ジャパンCのように運べれば面白い。とにかく語り継げる一戦になることを期待したい。有馬記念は、自分の心情を大切にするのが一番だ。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

関連情報

新着コラム

コラムを探す