インペリアルマーチの甥っ子グレナディアーズ、南関東移籍後初勝利!

2018年01月22日(月) 18:00


約1年5か月ぶりの勝利

 キョウエイマーチの孫でインペリアルマーチの甥っ子としても知られるグレナディアーズ(栗東・音無秀孝厩舎→船橋・出川克己厩舎)が、待望の南関東初勝利を挙げました!中央時代は5勝を挙げ、2016年8月に小倉競馬場で行われた釜山S(1600万下)を優勝以降勝ち星からは遠ざかっていましたが、約1年5か月ぶりとなる勝利です(通算6勝目)。

 南関東に移籍以降、グレナは驚くほどに運のない出来事が続いてきました。苦手な道悪馬場が多かったり、天気が恵まれてもレースで大きな不利を受けるなど、全力で走り切ったことがありませんでした。

 年が明け、南関東移籍6戦目となった1月16日のチバテレ盃(船橋・1700m)。良馬場での競馬。今野忠成騎手が手綱を取り、道中3番手から進め最後の直線で内を突くと力強い脚取りで勝利を飾りました。

チバテレ盃のパドックにて。過去最高体重の515キロ

チバテレ盃の優勝シーン

 レース後には、ネット上にもグレナ出資者の皆さんやファンの方たちからも喜びの声があふれていました。

グレナのことを信じていました

 グレナを担当しているのは急逝したインペリアルマーチを手掛けた宇田川厩務員です。これまで数多くの重賞タイトルを取ってきた方。

「今はとにかくホッとしました。力があるのはずっと感じていたので、あとは運が向いてくれればと、グレナのことを信じていました。去年までに悪い部分は全部出したのかな?って思うくらいに、今回は運も向いてくれました。状態はずっと良かったですが、特に元気も良くて一番の雰囲気だったと思います。

 グレナを担当させてもらうことがわかった時は本当にうれしかったです。これもマーチ(インペリアルマーチ)がうちの厩舎に来てくれたお陰ですし、マーチにはこれからもずっと感謝しています」(宇田川厩務員)

グレナにとって1年5か月ぶりの口取り。今野騎手、出川調教師、グレナをはさんで、宇田川厩務員

調教パートナー・田中力騎手の力も絶大

 グレナは神経が細やかなところがあるので環境に慣れるまではカイバ食いの細いところもあったそうですが、今ではよく食べて、接する部分では優等生だそうです。

 しかし、調教ではハミ受けが良くなく、言うことを聞かせるのが非常に大変な馬だそうです。調教パートナーの田中力(たなかつとむ)騎手がグレナにじっくり丁寧に向き合って乗り続けているそう。

「行かせれば行っちゃうし、なだめると頭をあげるし、首を伸ばして力を入れて走るので、調教はかなり難しいと思います。トモ、特に右トモが疲れやすくなるんですが、力(つとむ)がトモをしっかり使わせるようにしながら乗ってくれていて、今では速いところを走らせた後にも疲れが出にくくなりました。力(つとむ)の力も大きいです」(宇田川厩務員)

レース後にカイバをもりもり食べていて、至福のひととき

重賞・報知グランプリカップへ

 現在は2月7日の報知グランプリカップ(船橋・1800m)に向けてトレーニングを進めているそうです。ケイアイレオーネやロワジャルダンなど豪華メンバーがそろう一戦。そんな面々と力を出した時にどんな走りを見せるのか楽しみです。

「厩舎としても思い入れのある血統で勝てたことが本当にうれしいです。ずっと運のない競馬が続いていましたが、力を出せればこのくらい走れることは証明してくれました。今日の勝利を今後のレースにつなげていきたいですね」(出川調教師)

青梅特別の続き?!

 なお、今回のレースでは懐かしい対決がありました。グレナが4コーナー付近で頭を上げるような素振りを見せたことで、また不利があったのかぁと誰もが思ったのですが、あとで今野騎手に聞いたところ、狭くなった箇所で隣の馬に急に噛みつきにいこうとして、逆に噛み返されそうになって頭を上げたそうなんです。

 噛みつきにいった相手というのが、3歳時の青梅特別で優勝したフィールザスマート(美浦・新開幸一厩舎→船橋・林正人厩舎)。グレナは3着だったのですが、その時のことを覚えていたのかな?!と思ってしまいますね(苦笑)。フィールザスマートも報知グランプリカップを予定しているので、この戦いは続いていきます……。

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高橋華代子

南関東競馬リポーター。宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。タイキフォーチュンがきっかけで競馬の世界を知り魅了され、競馬を伝える仕事に就きたく上京。MXテレビ大井競馬中継を経て、現在は南関東競馬内で取材活動を行っている。南関東競馬公式ウェブサイト内・南関魂、大井競馬ホームページ、サンケイスポーツ、楽天、ウェブハロン、ターファイトクラブ会報誌、馬事通信など。

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