2018年02月17日(土) 12:00
◆歴代優勝馬たちの共通点
先週は雪の影響もあって4日連続で行われた中央競馬。1場開催となった12日の東京は前年比148.8%、13日の小倉は同187.4%の売上を記録しました。地方競馬への影響は調べきれませんでしたが、こういうのを“焼け太り”じゃなくて“雪太り”って言うんでしょうか?
さて、今週はフェブラリーS。ゴールドドリームには、史上初の同レース+チャンピオンズCの3連勝がかかっています。
ご存知のように、同馬はこれまで中央のダート戦では8戦6勝と好成績を残してきました。一方、地方や海外のレースには5回出走して勝ち星なし。今までの実績からすると、典型的な“内弁慶”タイプです。
それじゃあ、ほかのフェブラリーS優勝馬はどうだったでしょう? 08年のヴァーミリアンから16年のモーニンまでの8頭(14、15年はコパノリッキーが連覇)について、成績を調べてみました。
このうち、フェブラリーSを勝つ前(コパノリッキーは14年のレースを制する前)に、地方で行われた交流重賞に優勝していた馬は6頭いました。ゴールドドリームのように地方未勝利でここを勝ったのは、11年のトランセンドと16年のモーニンだけ。そういう馬は少数派と言ってよさそうです。
では、地方重賞のタイトルホルダーだった馬は、どのレースを制していたでしょうか? 以下は、その一覧です。
08年ヴァーミリアン・6歳=浦和記念、ダイオライト記念、名古屋グランプリ、川崎記念、JBCクラシック(大井)、東京大賞典 09年サクセスブロッケン・4歳=ジャパンダートダービー 10年エスポワールシチー・5歳=かしわ記念、南部杯 12年テスタマッタ・6歳=ジャパンダートダービー 13年グレープブランデー・5歳=ジャパンダートダービー 14年コパノリッキー・4歳=兵庫チャンピオンシップ
こうして見ると、ジャパンダートダービー優勝馬が3頭もいるのがわかります。ところが、帝王賞優勝馬は皆無。東京大賞典や川崎記念で勝ったことがある馬、というのも、08年のヴァーミリアン以降途絶えています。
だったら今年は、15年のジャパンダートダービー馬ノンコノユメを狙ってみたいところですが、そうカンタンには行けないかも。ここ10年のうち9回は、馬体重500kg以上の馬が勝っています(あと1回も498kgでした)。同馬の体重は450kg前後でしょう? これがどうにも引っ掛かるんですよ。
地方重賞に勝ってはいるものの、帝王賞、東京大賞典、川崎記念の優勝経験はなく、馬体重が500kgを超えている4-6歳馬は? 勝ったのが佐賀記念で、ここ2戦の成績も今イチなので強気なことは言えませんが、ロンドンタウンが浮上してきちゃったんですけど。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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