2018年02月20日(火) 18:00
◆賞金アップでさらなる盛り上がりに期待
新年度を前に、地方の各地の主催者から続々と開催日程や重賞の予定が発表されている。まだすべての主催者からリリースがあったわけではないが、一昨年までの『ダービーウイーク』が昨年からは『ダービーシリーズ』となり、また『3歳秋のチャンピオンシップ』も昨年からスタートしたように、いま地方競馬では3歳戦線で大きな動きがある。そうした状況で、2018年度の重賞路線で変化が目についたのがホッカイドウ競馬だ。
日程が大きく変更されたのが3歳重賞。2008年以降、昨年までの10年間、一冠目の北斗盃は4月の開幕週に行われていたのが、2018年度は5月30日(水)の開催と、1カ月以上も繰り下げられた。同様に、旧ダービーウイークとしておおむね6月の1週目に行われていた二冠目の北海優駿も2週ほど繰り下がって6月20日(水)の開催となった。
かつてのダービーウイークは、“全国のダービーをおよそ1週間に集中して開催”することで盛り上げたが、季節の変化がある日本では、やはり無理が強いられている部分があった。それがダービーシリーズとして期間に幅ができたことで、ホッカイドウ競馬は、その呪縛から解かれたといえそう。
屋根付き坂路が完成して季節を問わず調教が可能になったとはいえ、5カ月もの休催期間を経て、開幕最初の週にいきなり3歳の一冠目ということでは、出走させる厩舎関係者にとっても、馬券を買うファンにとっても戸惑いはあったと思われる。
一冠目と二冠目は繰り下がったものの、三冠目の王冠賞は昨年までと同じく7月最終週の26日(木)で据え置きとなっている。これによってホッカイドウ競馬の三冠は、昨年まで中5週、中7週という間隔だったものが、中2週、中4週という短期間で争われることになる。ちなみに北海優駿からJpnIのジャパンダートダービーに挑戦するとなると、ここも中2週のやや厳しい日程となる。
また2歳重賞では、JpnIIIのエーデルワイス賞から北海道2歳優駿までは中2週あったのが、エーデルワイス賞が1週繰り下げられて中1週となった。そしてその間に挟まれているのが未来優駿のサッポロクラシックカップ。未来優駿のシリーズは、ほとんどの地区で必ずしも2歳チャンピオンを決めるレースにはなっていないが、ホッカイドウ競馬ではますますその位置付けが微妙になった。
そして明るい話題は全体的な賞金アップだ。そのひとつが、北海道2歳優駿の1着賞金が昨年までの2000万円から2500万円にアップしたこと。まだ2018年度の賞金が発表されていない主催者も少なくないが、仮にJpnIIの兵庫ジュニアグランプリが昨年までの2200万円で据え置きとなると、北海道2歳優駿は中央も含めて2歳のダート戦では全日本2歳優駿に次ぐ2番目に1着賞金の高いレースとなる。
そしてホッカイドウ競馬の古馬(3歳以上)の最高峰、道営記念も1着賞金が1000万円から1500万円にアップ。これは2001年以来17年ぶりのこと。道営記念は1着賞金3000万円で争われていた年もあった(1997、98年)だけに、古馬戦線のさらなる盛り上がりにも期待したい。
さて、ホッカイドウ競馬の開幕は4月18日だが、それに先駆け、他地区に移籍することなく3歳でも門別にとどまったハッピーグリンが3月18日、中山のスプリングSに出走予定となっている。そこで3着以内に入って、4月15日の皐月賞出走となれば、ホッカイドウ競馬のシーズン開幕も盛り上がることになりそうだ。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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