2018年03月17日(土) 12:00
◆将来のオルフェーヴル、キタサンブラックが出てくるか
大きな目標を前にどう戦ったらいいのか、それぞれの事情によって異なるのがトライアル戦で、それを探ることでレースの行方を見定めたい。この5年間の勝ち馬が、スプリングSにどんな思いで出走していたか、完全に2通りになっている。
2013年のロゴタイプは、前年の朝日杯FSを勝っている2歳王者だから、ここで成長した姿を確認できれば、それで良かった。田中剛調教師は「予定通りの追い切りで態勢はととのった。賢い馬だから」と、騎手の手綱にまかせ、ロゴタイプはそれに応えていた。騎乗したC.デムーロ騎手は「リラックスして走らせることができた。本番の2000米を前にとてもいいレースができた」と、皐月賞に乗る兄のM.デムーロ騎手にバトンを渡していた。
それ以後の4年はいずれも、前走で500万条件を勝って2勝目を上げたばかりの馬が勝っていた。スプリングSは、ここで出走権を得ておきたい馬が圧倒的に多く出走してくる。その2勝馬の中からどうチョイスするかが最大の焦点で、勝者がレースを前に語っていたことを検証してみたい。
ロサギガンティアはそこまで4戦2勝、「ここ2戦は苦しい競馬だったが、目を見張る脚を使った。馬群にひるむ性格ではなく、中山でも楽しみ」と。キタサンブラックは2戦2勝、1月31日の初戦は大外一気で、2戦目の2月22日は2番手先行して勝っていて、「前走はイメージした競馬と違ったが、終いはしっかりしていた。あの内容なら」と。マウントロブソンは4戦2勝、「まだ未知の部分があるしどこまで通用するかだが、2連勝して軌道に乗った」と。去年のウインブライトは5戦2勝、「放牧をはさんで順調に乗り込み、追う毎に良くなった。前走の勝ち方に余裕があり、まだ伸びシロがある」だった。
つまり、前走の勝利をどう見ていたかに、ヒントがあるのは間違いなく、どの陣営にも確たる手応えが感じられた。昨年、2歳王者サトノアレスが伸びを欠いて4着に負けたように、実績よりも気迫のある馬、勢いを感じる馬がトライアル戦では上位に来る。その中から、将来のオルフェーヴル、キタサンブラックが出てくるかどうか。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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