【安田記念】トレセンリポート 出走予定馬の状態をチェック

2018年05月28日(月) 15:55

コラムG1

▲近走不振も実績上位のレッドファルクス(撮影:佐々木祥恵)

連勝でG1を制したスワーヴリチャード、昨年のマイルCSに続きマイルG1・2勝目を狙うペルシアンナイト、前哨戦のマイラーズCをコースレコードで快勝したサングレーザーなど好メンバーが揃った安田記念。出走予定馬のレース1週前をレポートします。


アエロリット初の中2週

アエロリット

「前走(ヴィクトリアマイル・G1・4着)はレース前に雨が降ってあのような馬場になったり、落鉄をしたりで運もなかったですが、それでもさほど負けていなかったですし、競馬のアヤなのかなと思います。走り切っていないこともあって、レース後も意外と良い感じです。今回は牡馬相手で更にメンバーが強くなりますが、ジョッキーも2回目で気持ちも楽になるでしょうし、自分のペースで走れればいいですね。中2週で競馬に臨むのは初めてなので、あとは競馬に向けて状態を上げていこうと思います」(菊沢隆徳調教師)

ウインガニオン

「24日(木)は坂路で単走馬なり。特に変わらずきています。前走の京王杯SCは7着とはいえ、そんなに負けていませんし、休み明けとしてはよく頑張ってくれました。1回使って状態は上がっていると思います。夏場は体調がいい馬なので、その時期に一線級とやってみたいと思っていました。癖のある馬なので、津村明秀騎手が続けて乗ってくれているのもいいですね。左右の手前に得意・不得意はありませんが、なぜか左回りは好成績ですね。調教もしっかり動いて、年齢的な衰えも感じません。がんばってほしいですね」(中家規宏調教助手)

キャンベルジュニア

「前走(京王杯SC・G2・2着)は1400mの流れにも対応できましたし、内容も良かったと思います。若い頃から1度レースを使うと疲労が出る馬で、今回のレース後はトモに疲れが出たので、状態を見極めしっかりケアをしながら徐々に調整のピッチを上げています。中2週で競馬を使う時のパターンで、週末から時計を出す予定です」(森一誠調教助手)

サトノアレス

「この中間も順調です。前走(京王杯SC・G2・3着)は安田記念を見据えた競馬をしました。初めての1400mでしたが、後方からでも 流れに乗って走ることができました。あのメンバーの中でも直線での伸びの鋭さが目立っていましたし、G1でも見劣らないと思います。レース後の息遣いも良かったですね。ジョッキーは2度目の騎乗になるので、癖を掴んでくれていると思いますし、楽しみですね」(津曲大祐調教助手)

精神面も成長し充実一途のサングレーザー

サングレーザー

「リフレッシュ放牧から先週火曜日に帰厩し、23日(水)は坂路単走で59.3-41.6-26.8-13.8。前走のマイラーズCを見て改めて力のある馬だなと感じました。最近は精神面が落ち着いてきましたね。以前はレースを使うと減っていたのですが、昨夏から安定するようになってきました。それが今の成績に繋がっているのかもしれません。いま480kg台後半で、前走と同じくらいで出走させられそうです。初めての東京。輸送もありますが、馬運車では大人しいですし、左回りも今の充実ぶりならこなしてくれないかなと期待しています」(川上裕司調教助手)

スターオブペルシャ

「前走(谷川岳S・OP・1着)は2走前の中京(トリトンS・1600万下・1着)から新潟にコース替わりし、距離も1ハロン延長しましたが、流れに上手く乗って競馬ができました。道中で脚も溜まっていて抜け出す時も楽でしたし、ゴール前も余裕がありました。オープンでも良い脚を終いで使えましたし、昨年からの良化も著しく、東京のマイルにも問題がないので楽しみにしています」(津曲大祐調教助手)

スワーヴリチャード

「1週前追い切りはしっかりとやっておきたくて、23日(水)Cウッドコース2頭併せで先着しました。今の感じだと太め感もなく、順調に乗り込めています。この中間はゲート練習に2回ほどM.デムーロ騎手が乗って確認をしてもらいました。前走の大阪杯は枠やペースもあって向正面で先団に併せていく形になったのでしょう。ヨシヨシと思いながら見ていました。道中ああして促しながらもラストまで凌げて、改めて力を確認したいいレースでした。

(初マイルですが、安田記念は2000mを勝った馬も好成績ですね?)そうですね。まして、東京で直線が長く、競馬がしやすいコースです。今まではテンから押して行ったことがないので、その辺の戸惑いみたいなのはあるかもしれませんが、大阪杯の後半のような脚を使ってくれれば、がんばってくれるのではないかと期待しています。マイルのスペシャリスト相手になるのであくまで挑戦者の立場ですが、いろんな可能性をもっと開花させてあげたいと思っています」(庄野靖志調教師)

ダッシングブレイズ

「1週前追い切りは23日(水)にCウッドコースで3頭併せの最先着。動きは良かったですね。使い出して4戦目になりますが、状態はだんだん良くなっています。前走のマイラーズCは前が止まりませんでしたが、2走前の金鯱賞は強いメンバー相手に5着。その時と同じ北村宏司騎手なので、金鯱賞のいいイメージを持ってくれていればと思います。ベストな距離はマイルだと思うので、なんとか」(吉元祐介調教助手)

タワーオブロンドン

「前走(NHKマイルC・G1・12着)後も疲れはなく、順調に調整できています。前走はスタートで躓いて、リズムを取り戻すまで苦労したロスが大きかったと思います。直線でもスムーズさを欠いてしまい走り切れていない感じでした。馬場もこの馬には少し硬かったように思いますし、あれが能力ではありません。今回は古馬の一線級相手になりますが、斤量差がありますので改めて期待したいです」(津曲大祐調教助手)

ヒーズインラブ

「1週前追い切りはしっかりと負荷をかけたくて、後半の時間帯に坂路で単走53.6-39.1-25.2-12.3。今朝の坂路は開門から時計がかかっていましたが、この時間帯に全体時計53秒台で上がり12.3はいいですね。直前は上がり重点でサッとやる予定です。最近は力をつけてきて、安定もしてきました。元々、しまいに脚を使えるのですが、充実してきていますね。3走前(2月3日節分S・2着)に東京でいいレースをしたように東京コースも走れます。脚が溜まれば最後は必ずキレる脚を使ってくれますので、ペースが速くなり開催後半で差しが決まる馬場になってくれればと思います」(藤岡健一調教師)

ブラックムーン

「1週前追い切りは23日(水)にCウッドコースで、この馬にしてはいい動きでした。気を抜かず、最後まで走れていました。状態もいいと思います」(幸英明騎手)

ペルシアンナイト

「1週前追い切りは24日(木)Cウッドコース3頭併せで最先着。ラスト1Fしっかりやってほしいという指示で、動きや反応は良く見えました。ただ、体つきに少し余裕があるかなと感じます。追い切りに騎乗した川田将雅騎手も動きのシャープさや息の入りがまだ使っていた頃ほどではないと話していましたが、1週前追い切りをしっかりやったので、この一追いが効くと思います。来週どこまで状態が上がってくるかでしょう。東京や京都のマイルはいいと思います。ここ2走は1800m以上のレースを使っているので、それがどう出るかはレースに行ってみないと分かりませんが、久々のマイルの流れに対応できるかがポイントになるでしょう」(池江泰寿調教師)

ムーンクエイク

「前走(京王杯SC・G1・1着)は道中少し掛かりそうな感じでしたが、中団で我慢できていて最後は良く伸びて3頭併せの真ん中でよく頑張りました。レコードタイムと時計も優秀でしたし、とてもタフな馬ですね 。体が増え続けてきていますが、去勢で減っていたのが戻ってきたのでしょう。前走は速い時計で走りましたが、逆に時計がかかる競馬にも対応できます。調子が良さそうなので、G1でも楽しみですね」(津曲大祐調教助手)

モズアスコット

「23日(水)坂路で併せ馬52.1-37.5-24.3-12.0。マイラーズCでは前が崩れている中、よくがんばってくれました。しかし、特別登録の段階では補欠1番手だったので、先週27日(日)に京都・安土城Sを使いました。レースの結果や体調を見て安田記念の出走可否をオーナーや調教師が判断されると思います」(岡勇策調教助手)

リアルスティール遠征明けも問題なし

リアルスティール

「1週前追い切りは23日(水)に坂路で岩田康誠騎手に乗ってもらって併せ馬。52.1-37.9-24.6-12.1で、折り合いもスムーズで順調です。ドバイ遠征後は体調も問題ありません。脚元に不安を抱えている馬ですが、それも問題なく順調に乗り込めています。海外帰りとしてはいい状態ですね。2年前の安田記念は自信をもって送り出しましたが、11着。その結果がちょっと引っ掛かりますが、普段の調教の感じからもマイルは守備範囲だと思います」(宮内茂貴調教助手)

リスグラシュー

「1週前は25日(金)に坂路で。前走のヴィクトリアマイルから間隔もそんなに空いていないので1週前も当週も目一杯はやらない予定です。テンションを上げ過ぎないことと東京への輸送があるので、馬体を維持する程度の軽い調整です。前走のヴィクトリアマイルは本当に惜しかったですね。いつも安定して走ってくれますが、勝たせきれず悔しいです。G1を勝たせないといけない馬だと思っています。何とか勝ってほしいですね」(岡勇策調教助手)

レッドファルクス

「1週前は田辺騎手に感触を掴んでもらい、長めからしっかりと追い切りました。その前の週末が速かったのでさほどやるつもりはなかったのですが、誘導した馬が速かったので今回も時計が出ました。2週前の追い切りでは手前を替えなかったのですが、今回は替えていましたし反応も良くて最後も楽でした。追うごとに良化してきていますね。週末は少し楽をさせて、レース当該週はそれなりにやろうかとも考えています」(尾関知人調教師)

レーヌミノル

「23日(水)はCウッドコース単走で15-15。あとは来週にサッとやります。昨年も牡馬相手にG1を走っています。ちょっとした事一つでしょう。昨秋のマイルCSはもう少し外目を通れたら、と思いますし、前走のヴィクトリアマイルも外に出せませんでしたからね…。前走はもう一列後ろでレースができれば外に出せたでしょうが、スタートからスッと行く馬がいなくて、道中はハミを噛んでいました。その辺り、枠順や展開、馬場状態一つ。コースは問題ありませんからね」(本田優調教師)

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