2018年07月16日(月) 18:00
◆立派というしかない快勝だった
今年の勝ちタイム「1分59秒8」は、良馬場ではごく標準の平均的なタイムだった。
レースの流れは前後半「60秒3-59秒5」。ただし、1000m通過60秒3のあとも「→12秒4」。まだピッチは上がらず完全なスローになったため、上がり800mだけ一気にピッチが上がって「47秒1-35秒0-11秒8」。1996年から洋芝になった函館記念の上がり3ハロンが「35秒0」になったのは非常に珍しい。
というより、レース上がり35秒0は洋芝に変更後、断然の最速上がりだった。短距離1200mで驚異のレコードの出た昨年とは異なり、本来の洋芝に近いとされる今年だが、それでも従来の洋芝より全体の時計は速い。それが緩い流れによって非常に速い上がりのレースになった。
今年の勝ち馬エアアンセム(父シンボリクリスエス)は、なんとまたまた重賞未勝利馬だった(これで5年連続)。故障ブランク期間があったとはいえ、さすがにもう7歳のベテランホースであり、ふつうは先週の同じローカルのGIIIハンデ重賞「七夕賞」よりレースレベルが高いことが多く、よって秋のビッグレースシリーズに結びつくことも珍しくないとされる函館記念だが、果たしてレースレベルは高かったのだろうか。
2着も7歳馬=サクラアンプルール。7歳=7歳の決着となると、秋のビッグレース路線につながるのは難しい。印象度としては、レースレベルは決して低くなかったのだが…。
勝った7歳エアアンセムは、5歳エアスピネル(父キングカメハメハ)と「いとこ」の間柄(祖母は同じエアデジャヴー)。遅咲きタイプとはいえないが、・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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