菊花賞はごく単純に長距離実績を評価すべき一戦

2018年10月20日(土) 20:00

 前回10月14日のWIN5は248万860円と手頃な配当で決着。1レース目の赤富士S(東京10R)を単勝オッズ45.1倍(11番人気)のパルトネルラーフが制したものの、5レース目の秋華賞(京都11R)を勝ったアーモンドアイが単勝オッズ1.3倍の断然人気だったうえ、残る3レースの勝ち馬もそれぞれ単勝3番人気以内でした。「赤富士S以外の予想は完璧だったのに……」「赤富士Sだけ手広く押さえる作戦ならば簡単に当たったよなぁ……」と思った方も多いんじゃないでしょうか。

 もっとも、WIN5は“惜しいハズレ”と“的中”の間に立ちはだかる壁がイメージよりもだいぶ大きい式別です。前回10月14日のように信頼できる断然人気馬が1頭いたとしても、残る4レースのうち3レースで単勝1〜3番人気の馬を、1レースで人気薄の馬を10頭押さえたら、それだけで購入点数は270点(≒2万7千円)となってしまいます。この金額を気軽に投じることができるプレイヤーは多くありませんし、買えたところで「都合良く1レースだけ波乱の決着になる」「そのレースをピンポイントで予見する」というハードルをクリアできなければハズレ。相当に予想が上手い方であっても、年に一度だけ成功するかどうかといったところでしょう。妙味ある配当が引っ掛かりやすく、理に適った作戦ではあるものの、実行できるだけの資金力や忍耐力を身につける方が大変かもしれません。

 明日10月21日のWIN5は総出走頭数が68頭、総組み合わせ数が38万7072通り(土曜16時現在)。総組み合わせ数は少なめですが、1レース目の甲斐路S(東京10R)が8頭立て、5レース目の菊花賞(京都11R)が18頭立てと、なかなか面白いレース構成になりました。

ブラジルCは“関東馬”や大敗直後の馬が不振

 1レース目は3歳以上1600万下の甲斐路S(東京10R)。3歳のドミナートゥス、実績上位のレッドローゼスあたりが支持を集めそうです。

 2レース目は3歳以上1600万下の桂川S(京都10R)。比較の難しいメンバー構成で、上位人気勢の支持はやや割れるかもしれません。

 3レース目は3歳以上1600万下の北陸S(新潟11R)。こちらも難解な印象を受けるメンバー構成ですが、2連勝中のタガノアム、戦績に安定感のあるタガノヴィッターらが注目を集めるのではないかと思います。

 4レース目は3歳以上オープン、ハンデキャップ競走のブラジルC(東京11R)。重賞を2勝しているグレイトパールあたりが人気の中心でしょう。

 5レース目は3歳GIの菊花賞(京都11R)。土曜16時の時点ではエタリオウ、エポカドーロ、ブラストワンピースの3頭が人気を集めていました。

[伊吹式WIN5ランキング 2018年10月21日版]

1位 東京10R 2.レッドローゼス
2位 京都10R 13.ワンアフター
3位 京都11R 9.エタリオウ
4位 東京11R 14.トーセンビクトリー
5位 新潟11R 10.タガノヴィッター
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 新潟11R 3.アデレードヒル
7位 新潟11R 12.モズワッショイ
8位 東京11R 8.サトノアッシュ
9位 京都11R 6.メイショウテッコン
【以上すべての馬を買うと12点買い】

10位 京都10R 1.エリシェヴァ
11位 東京10R 7.ドミナートゥス
12位 新潟11R 5.タガノアム
13位 東京11R 7.ナムラアラシ
14位 京都11R 5.エポカドーロ
【以上すべての馬を買うと144点買い】

15位 京都10R 8.エスティタート
16位 東京10R 5.ビッシュ
17位 新潟11R 8.リンガスウーノ
18位 東京11R 1.ミキノトランペット
19位 東京11R 3.グレイトパール
20位 東京11R 9.コスモカナディアン
21位 京都11R 3.ブラストワンピース
【以上すべての馬を買うと1080点買い】

22位 京都11R 11.コズミックフォース
23位 京都11R 4.ジェネラーレウーノ
24位 京都10R 3.メイショウカズヒメ
25位 京都10R 7.アドマイヤナイト
26位 東京10R 3.ルネイション
【以上すべての馬を買うと3600点買い】

 5レース目の菊花賞(京都11R)は長距離の重賞における実績が最大のポイント。「“JRA、かつ2400m、かつGIかGIIのレース”において4着以内となった経験のない馬」は2010年以降[1-3-3-92]でしたし、このうち「“JRA、かつGIのレース”において4着以内となった経験のない馬」は2010年以降[0-1-3-86]と勝ち切れていません。また「前走の着順が4着以下だった馬」は2010年以降[0-1-2-62]、「調教師の所属が美浦だった馬」は2010年以降[0-0-1-34]。これらの条件をすべてクリアしているエタリオウ、メイショウテッコンの2頭が有力候補です。

 4レース目のブラジルC(東京11R)は年明け以降の戦績に注目したい一戦。「“同年、かつ中央場所、かつ2000m以下のレース”において5着以内となった経験のない馬」は2013年以降[0-0-0-25]と苦戦しています。さらに「調教師の所属が美浦だった馬」は2013年以降[0-2-0-24]、「前走の条件が“国内のレース”、かつ前走の着順が2着以下、かつ1位入線馬とのタイム差が0.9秒以上だった馬」は2013年以降[0-2-0-40]。“関東馬”や大敗直後の馬も期待を裏切りがちでした。今年のメンバー構成なら、サトノアッシュ、トーセンビクトリーあたりを重視すべきでしょう。

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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