皐月賞馬の秋、乗り替わりは吉と出るのか?

私事で恐縮だが、昨シーズンのPOGで偶然指名したアルアインが皐月賞を勝ってくれた。
アルアインを追いかける事で馬のみならず鞍上の松山騎手についても誠実なその人となりを知る事ができ、直ぐに彼のファンとなってしまった。

日本ダービーが終って程なく、アルアイン陣営から秋はルメール騎手でセントライト記念から菊花賞を目指すと発表があった。
客観的に判断すれば大幅な鞍上強化であり、クラブ馬のアルアインに出資している方にとっては喜ばしいニュースだったのかも知れない。
それでも今回のアルアインとレイデオロ、馬主は違えどノーザンF系のクラブによる2頭の使い分けには余り良い印象が無い。
松山騎手は戦前に調教師がマイラーと評したアルアインに皐月賞を勝たせ、ルメール騎手の巧さだけが光った日本ダービーでも最善を尽くして掲示板を確保した。
平成生まれの27歳と若く経験不足は否めず、騎手リーディングは14位でトップジョッキーのルメールとは比較にもならないがそれでもここまでの彼の騎乗に交代させるだけの理由がいちファンとしては見つからない。

そこでアルアイン同様に皐月賞を勝ってダービーを勝てなかった馬(未出走含む)のその後について調べてみた。
ダービーを勝っていない皐月賞馬の菊花賞参戦例は27回。

菊花賞の成績は下記の通り。
8-3-4-12(29.6% 40.7% 55.5%)
※.数字は左から順に1着、2着、3着、4着以下の回数。
※.カッコ内は左から勝率、連対率、複勝率

10頭に3頭が菊花賞も制して2冠を達成している。
この内、皐月賞と菊花賞の鞍上が同じケースは23回。

8-3-3-9(34.8% 47.8% 60.9%)

皐月賞と菊花賞で騎手乗り替わったケースはたったの4回しかなく菊花賞優勝例は無い。

0-0-1-3(0.0% 0.0% 25.0%)

このケースで3着に来たのは天才・福永洋一鞍上の天馬トウショウボーイのみ。
天馬に天才が跨っても3着がやっと。
それ以外の3回は15着、13着、競走中止と散々な成績だ。

今回の鞍上交代劇。菊花賞77年の歴史を振り返る限りは良い結果を得られないように見えてしまう。

とは言え鞍上交代劇は人間の思惑であり、サラブレッドには関係のない話。
筆者はこれからもアルアインの事は全力で応援して行きたいと思っている。