2024年04月24日(水) 18:02
▲佑介騎手と四位洋文調教師の対談はついに最終回(撮影:桂伸也)
今年開業4年目を迎えた四位洋文調教師。立場が変わり、騎手時代には分からなかった難しさも感じるといいます。すべては馬・馬主・従業員のために努力を重ねる日々。
身近な佑介騎手いわく「メンタルが健康」な馬が多く、スタッフの皆さんも「楽しそうに仕事している」そう。その影には、調教師としての強い責任感と、独自の“教育方針”がありました。今回は、ファンが知らない厩舎運営の大変さと裏側について迫ります──。
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(取材・構成=不破由妃子)
──2021年の開業から4年目を迎え、成績は右肩上がり。開業当初、「軌道に乗せるまでには4、5年かかるだろうな」とおっしゃっていましたが、その言葉通り、軌道に乗ってきた感はありますか?
四位 うーん、どうなんでしょうかね。2年目からは、馬房の数だけは勝てているけど、まぁやっぱりもっと勝たなくちゃとは思いますね。波があるんだろうけど、去年は厩舎として30勝を目標にして届かなかったから(24勝)。去年は2着がすごく多くて(32回)、やきもきしたシーズンでしたね。ただ、オーナーさんには開業当初からいい馬を預けていただいて、さらに毎年のように新しいオーナーさんとの出会いもあって、預からせていただく馬のレベルは年々上がってきていますからね。もっと頑張らないと。
──去年はシリウスSで重賞初制覇(ハギノアレグリアス)。秋にはファンタジーS(カルチャーデイ)で重賞2勝目を挙げられました。やはり重賞タイトルというのは、ひとつの結果として大きなものですか?
四位 いや、タイトルに関してはね、縁の問題だから。重賞を勝ったからどうこうっていうのは、正直ないよ。だって、未勝利馬であろうがオープン馬であろうが、日々積み重ねていくものは同じだから。
──フラットですねぇ。
佑介 ジョッキー時代に山ほど重賞を勝ってますからね(笑)。
四位 山ほどっていうのはあれだけど(笑)、ジョッキーのときにいい経験をさせてもらったおかげで、そういうところに対していい意味で気持ちが動かないっていうのはあるね。さっきも言ったけど、この仕事は本当に毎日の積み重ねで、しかも思った通りにはいかないのが当たり前のようなところがあるし、そもそも競馬は圧倒的に負けることのほうが多いからね。
▲日本ダービー連覇などの活躍を挙げた騎手時代(撮影:下野雄規)
佑介 確かに。
四位 トレセンに入ってくる馬たちは、みんなアスリート。ギリギリのトレーニングをして、ギリギリのところで競馬に向かっていくぶん、万全の状態を保ち続けることは本当に難しい。乗り役をやっているときは、正直、厩舎サイドのそういう苦労がわからなかったよ。
まるで何事もなかったかのように競馬場に連れてきてもらって、レースをさせてもらっていたけど、・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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