福永祐一騎手を背に2歳王者に 愛情に包まれたエイシンチャンプの今

2017年9月19日(火) 18:00

■『第3回引退馬フォーラム』にて上映された動画


※エイシンチャンプ回は、14日(木)に東京・新橋『GateJ.』で開催された『第3回引退馬フォーラム』内の引退馬ファンクラブ「TCC FANS」×netkeiba.comコラボコーナーをもとに構成しております。

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「本当にすごい馬…私が触っていて良いものか」


 台風15号の影響が心配された9月1日、とあるGI馬を取材するため、千葉県長生郡一宮町を訪れた。車窓から九十九里浜一宮乗馬センターと書かれた看板が目に入った。すぐそばに九十九里浜があり、海辺での外乗も人気と聞く。

 ここで乗馬として第二の馬生を送っているのが、福永祐一騎手を背に2002年の朝日杯FS(GI)で優勝したエイシンチャンプ、今年17歳だ。JRA賞の最優秀2歳牡馬にも選出され、その名の通り2歳チャンピオンとなった。

▲エイシンチャンプが第二の馬生を過ごす一宮乗馬センターへ

 車から降りると空はどんよりとした厚い雲に覆われ、いつ雨が落ちてきてもおかしくない状況で、風も徐々に強まっていた。何とか取材中だけでも天気が持ってほしいと願いながら、敷地内に足を踏み入れる。

 クラブハウスの向かい側にある繋ぎ場には馬が3頭いた。馬の傍らにいた女性に声をかけてみると、一宮乗馬センター代表の中村陽子さんだった。エイシンチャンプは、1番端に立っていると教えられた。

 エイシンチャンプがここ一宮乗馬センターに来たのは2007年6月だった。「確かにオーラがあって、目の輝きが違いましたね」と中村さんは当時を振り返った。目の前に立つエイシンチャンプには独特の雰囲気がある。よく観察してみると思慮深そうな瞳もしていた。「可愛い」と気安く言ってはいけない。そういう雰囲気が漂っており、これがGI馬の貫禄なのかもしれないと思った。

▲17歳になったエイシンチャンプ その瞳の奥は今もなお鋭い

 エイシンチャンプは、...

北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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