【年末年始の更新スケジュール】
今年の更新は本日分で終了です。年始の3日は休載となり、10日が初回の更新となる予定です。
◆調教師も騎手も若手の台頭が著しいヨーロッパの障害界 佳境を迎えているヨーロッパの障害シーズンで23日(土曜日)、見ていた人間の誰もがほっこりした気持ちになった光景が展開された。
舞台となったのは、王室所有のアスコット競馬場で、この日のメイン競走はハードル3マイル路線の大一番であるG1ロングウォークハードル(芝24F97y)だったが、ホロリとさせられた場面が見られたのは、その日の最終レースに組まれていたG3レーシングウェルフェアハンデキャップハードル(芝15F152y)が終了した後のことだった。
勝ったのは5番人気に推されていたハンターズコール(セン7、父メダーリー)だったが、同馬を管理するオリー・マーフィー調教師がメディアに囲まれた途端に、ポロポロと涙を流しはじめたのだ。
マーフィー調教師は、弱冠26歳。今年7月に厩舎を開業したばかりで、これが重賞初制覇だったのである。
母のアナベルさんが調教師で、父のエイダンさんが競走馬仲介業を営み、更に両親は少数ながらも繁殖牝馬を所有して生産活動にも携わっていたという、競馬一家に育ったのがオリー・マーフィーだ。つまりは幼少の頃から馬に囲まれて育ち、馬を乗り回す日々を送ってきた、生来のホースマンであった。
ポイント・トゥ・ポイント競走のライダーとして活躍した時期を経て、将来は調教師となることを目標に研鑽を重ねることを決め、最初に叩いた門が、アラン・キング調教師が営む厩舎だった。アラン・キングと言えば...