横山典が素質を認める三男坊 「あいつはマジで“ヤバい”」

デイリースポーツ

2016年11月08日(火) 15:20

5日の公開模擬レースを勝利した横山武史君

 それは昨年の4月22日。取材のため訪れた某厩舎の大仲(休憩や打ち合わせをする場所)で、なぜか酒盛りが始まってしまった時の話だ。

「俺の夢ね…。そうだな。孫と一緒にレースすることかな」

 声の主は関東のレジェンドジョッキー・横山典弘である。気難しさもレジェンド級…いやいや、栗東に出向いて調教をつけたこの日は超ご機嫌だった。缶ビールをたらふく飲みながら「きょうだけは何でも聞いていい」と言うので、ここぞとばかりに質問攻めをさせてもらったのだが、将来の夢や人生観、失敗談やら…とにかくざっくばらんに答えてくれた。

 ビールの空き缶が積み上がり、だんだんとろれつが回らなくなってくる。ただ、競馬学校に在籍している三男の話題になると、急に真面目な顔つきに戻ってこう言ったのだ。

「あいつはマジで“ヤバい”から覚えとけ。恐らく、相当なもんになる」

 今月5日、東京競馬場で競馬学校騎手課程第33期の第4回模擬レースが行われた。勝ったのは横山武史君(17)。残念ながらレースを直接見ることはできなかったが、好スタートを決めて見事に逃げ切ったそうだ。「父には4コーナーで膨れたことを厳しく言われました。褒められることはなかったです。きょうは改めて、競馬の難しさや父のすごさが分かりました」。何とも殊勝じゃないか。これで模擬レースは第2回(2R目)、第3回に続いて3連勝。父親が言う通り、腕は確かということだ。

 時は再び昨春に戻る。武史君が優れているのは具体的にどの部分なのか。その問いに、JRA・G1・25勝を誇る名手は「プロ向きな性格」と簡潔に答えるにとどめ、続けてこんな持論を述べていた。

「俺が思うに、約10年なんだ。調べたら分かるけど、トップになれるような才能を持つジョッキーってのは、大体10年ごとに現れているんだよ。周期的に、ウチのやつもそれに当てはまる」

 横山典ら競馬学校2期生は1986年、武豊ら3期生は1987年にデビュー。30年の時を経た来年の3月、33期生は大志を抱いてターフへ繰り出す。「父のように、ファンを楽しませられるようになりたい」。模擬レース終了後にそう誓った武史君が将来、どんな活躍を見せてくれるのか。今から楽しみだ。(デイリースポーツ・長崎弘典)

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

ニュースを探す