キタサンブラック清水久師「サトノダイヤモンドを逆転したい」/天皇賞春共同会見

2017年04月26日(水) 20:35

キタサンブラックについて「ここまで育ってくれて感謝しかないです」と語った清水久詞調教師(撮影:花岡貴子)

キタサンブラックを管理する清水久詞調教師

――大阪杯、見事な勝利でした。
清水 ありがとうございます。強かったですね。

――安心して見られたんじゃないでしょうか?
清水 いや、2000mですし折り合いが大丈夫かなという思いもありました。勝負どころから直線に行くあたりから他の馬がブラック目がけてくるのかな、と思いましたけど。思った以上に直線向いた時点でこなかったので、あれ?と思ったんですけど。直線を向いてからは大丈夫だろうと安心して見ていました。

――キタサンブラック自身、かなり力をつけていますよね?
清水 はい、間違いなくパワーアップしています。

――これも厩舎一丸となって鍛えた成果ですね。
清水 鍛えたのは間違いないですけど、馬自身がしっかりとそれに応えて頑張ってくれていますので。本当にありがたいですね。

――名馬の域に入りましたね。
清水 はい、ここまで育ってくれて感謝しかないですね。

――昨年と同じローテーションで天皇賞(春)に向かいます。
清水 昨年は大阪杯2着でしたが今年は勝ってくれました。天皇賞(春)連覇もかかっていますし、いい状態で挑めそうです。

――昨年の天皇賞(春)は逃げ切り勝ちでしたね。
清水 はい、ゴール前でいったん交わされたんですけどね、よく頑張ってくれました。

――改めてこの馬の魅力は?
清水 これだけの成長力は持って生まれたものだと思いますし、精神面をはじめ、あらゆる面で強い馬だと思います。

――京都コースは3戦3勝ですね。
清水 相性がいいといいますか、京都ではしっかり走ってくれていますね。そういう意味では心強いといいますか、自信を持っていけますね。

――今回は相手もパワーアップしていますね。
清水 はい、相手も強いところが揃っていますのでね。あまり考えずに自分の馬だけのことを考えていきたいと思います。

――ライバルの中でもサトノダイヤモンドは気になるんじゃないですか?
清水 もちろん、有馬記念でも負けていますし、前回も強い勝ち方をしていますんで。今回は逆転したいな、という気持ちがあります。

――逆転したい、という気持ちですか?
清水 もちろん、そうですね。連覇もかかっていますし。

――有馬記念では斤量がキタサンブラックが2キロ重かったですが、今回は同じです。
清水 たしかに有馬記念では2キロ差が向こうに有利に働いていたと思いますが、今回は同じ斤量になってこちらが有利だとは思っていません。向こうも力をつけてきますので、向こうが不利だとも思っていませんね。

――今年の天皇賞(春)に向けての調教ですが、ビッシリ進めてきましたね。
清水 そうですね。それだけ体調もいいということですし、緩めずにしっかり乗り込んできました。今朝も指示通りしっかり乗ってくれました。抜け出してから馬がフワッとしたところがあったようですけど、そのへんはいつものことですし『雰囲気もいいですよ』と騎乗者も言っていました。先週もしっかり負荷をかけています。

――これで十分仕上がりましたか?
清水 はい、これで二走目なのでしっかり仕上がっています。

――鞍上の武豊さんについては、どう思われていますか?
清水 すごく息ピッタリだと思います。結果も出していただいてますし、逃げても番手でも勝てますので競馬についてはすべてお任せしています。

――馬体重はいかがでしょうか?
清水 昨日の計測で542キロでした。だいたい同じくらいで出走できるかな、と思っています。大阪杯から10キロ以上増えていますが、太くは見えなかったので100%成長分だと考えています。

――レース当日、希望されることはありますか?
清水 特にないですね。雨も降りそうにないですし、枠順もどこでもいいかなと思っています。二、三番手からも競馬できますし、逃げる馬がいなければ逃げることもできますのでね。

――最後に抱負を。
清水 ここまで無事に調教、追い切りを終えましていい状態でレースを迎えられそうです。盛り上がると思います。僕も楽しみにしています。当日は競馬場まで足を運んでいただければと思います。応援よろしくお願いいたします。


キタサンブラックに騎乗予定の武豊騎手

――前走の大阪杯は強かったですね。
武 はい、いい走りでした。状態が非常によかったこともありますし、結果も内容もよかったですね。先手を取るかたちになるなら前に行ってもいいし、他が行くならそれでもいいという、いいかたちで走れました。

――自在性がありますね。
武 レースは乗っていて非常に楽しいですね。

――これで4つめのGIタイトル。名馬の域に入ってきましたね。
武 ずっとしっかり走ってくれる馬なので、本当にすごい馬だな、と改めて思います。

――まずは昨年の天皇賞(春)を振り返ってください。
武 昨年の大阪杯で初めて跨らせてもらいました。(天皇賞は)1枠1番から先行するかたちでレースを進めて、いちど直線で交わされたんですけど差し返してくれて。非常に嬉しい勝利でした。(逃げ切り勝ちは)なかなか簡単にできることではないと思うんで、底力がある馬だな、と思いました。あれから1年経って馬自身も強さを増していると思いますし、(現在は)全体的に強くなっていると思いますね。

――今年の天皇賞(春)に向けて状態のほうはどう聞いていますか?
武 前走から変わらずです。前走、すごくいい状態でしたし、すごく順調にきていると思います。最終追い切りについても報告を受けましたが、特に変わらずきているというのが嬉しいですね。

――昨年以上に素晴らしいメンバーになりました。
武 はい、盛り上がると思います。

――中でもサトノダイヤモンドはどのようにうつりますか?
武 当然、皆さんが思うように本当に強いですし。2強対決というのは当然だと思います。

――その存在は気になりますか?
武 気になるというか、普通にすごく強い馬ですね。

――今回は斤量が同じになります。
武 そうですね。

――関係ありませんか?
武 どうですかね、わからないですけど。有馬記念では悔しい思いをしましたし、負けたといっても僅かの差でしたし。競馬なのでね、あのくらいの差はなんとかならなかったかな、と思います。

――そのあたりも踏まえて挑まれるわけですね?
武 今年緒戦を境に本当にいい状態でレースができましたし、1年前のキタサンブラックと比較すると今のほうが強さを感じますし、本当にたくましくなったと思います。

――どのあたりが強くなりましたか?
武 もちろん、体も大きくなりました。たくましさがありますね。レースでも非常に安定しています。

――最後に抱負を。
武 本当に大一番ですし、キタサンブラックらしい走りをさせたいという気持ちです。北島オーナーと一緒に表彰台に並びたいと思います。

(取材・写真:花岡貴子)

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