シュヴァルグラン福永騎手「今年の方が自信を持っていける状態」/天皇賞春共同会見

2017年04月26日(水) 20:34

「強力な相手はいますが、自信を持って臨んでいきたい」と語ったシュヴァルグランの福永騎手(撮影:花岡貴子)

シュヴァルグランに騎乗予定の福永祐一騎手

――まず、阪神大賞典を振り返ってください。
福永 調教から乗せてもらったんですけど、(厩舎側から)伝え聞いたとおり今年に入って馬が良くなっています。走るフォームというか走りの質が昨年とは違っていたので、レースでどういった変化を見せてくれるのか非常に楽しみに乗った一戦でした。調教での変化がレースでもいい面で表れていました。昨年とはずいぶんメンバーも違いましたし、早めに動くかたちの中で負けはしましたが休み明けの一戦としてはいい内容だったと思います。

――続いて今週の天皇賞(春)に向けての仕上がりについてはいかがですか?
福永 中間、追い切りは乗っていないんですけど、動きのキレもよかったですし、一度使われてうまく上昇曲線を描けていると思います。

――ローテーションは昨年と同じですが中身は違うと?
福永 良くなるのは以前から今年に入ってからくらいかな、と友道先生をはじめ厩舎スタッフたちと話していました。昨年が思った以上に結果を残してくれましたし、今年も期待どおり良くなりました。昨年は勝って臨んだ天皇賞(春)でしたが、中身に関しては圧倒的に今年の方が自信を持っていける状態だと思います。

――昨年の天皇賞(春)を振り返ってください。
福永 スローペースが予想されていましたし、実際にスローペースでした。ポジション的にはもうひとつ前で競馬したいな、と思っていたんですがそこは取れませんでした。結果、伸びてきて惜しい3着でした。

 スタートがもともと速くないというか速く出れない走り方をしていたんですが、調教でいい動きを見せるようになって競馬でもスタートの一歩目の出方が良くなりました。あの出方をしてくれるなら、当たった枠にもよりますが昨年よりはいいポジションをラクにとれるようになっていると思います。

――距離適性は?
福永 結果が示す通り、長距離適性はかなりあると思います。

――昨年から今年にかけての変化は?
福永 もともと調教から乗りやすい馬でした。よくいえば乗りやすいんですが、悪くいえば向かってこないんです。調教でもいいタイムも出ず、目立った動きもしていませんでした。そこが成長してきたのもあるでしょうし、(厩舎側が)調教でも少し工夫していると聞いています。

 その中で阪神大賞典の追い切りに乗せてもらったときに、ハミに向かって走るように変わっていましたので。昨年とは走り方が違うし、使う筋肉も若干違う。だから、ゲートからの一歩目が出れたんですよね。その分、道中は前よりもちょっと行きたがる面は出てきました。ただ、潜在的なスタミナは持っていますから多少行きたがってもスタミナが損なわれることはないと思います。いい変化だと思います。

――福永さんはこの馬の兄弟にはかなり乗っていますが、GIタイトルは牝馬に先を越されていますね。
福永 でも、コンスタントに高い能力を持つ子を出す母馬ですね。すごいな、と思います。タイプもそれぞれ違うし、面白いですね。この馬に関しては我慢して使われてきた成果がここに表れていると思います。

――これまでキタサンブラックサトノダイヤモンドには悔しい負け方をしていますが?
福永 その2頭はGIを複数勝っている馬ですから、同列にいるとは思っていません。あくまでも挑戦者の立場だと感じています。ただ、2頭とも3000m超えのGIも勝っていますしなかなかスキは見つけにくいですけど。シュヴァルグランも力をつけていますが、あの2頭もハタから見ていてわかるくらい力をつけていますから。

 簡単なレースではないと思いますが、諦めている人間には勝利の女神は微笑まないと思いますので。馬の状態もいいですし、スタッフも一生懸命やってくれているので、あくまでも勝つイメージを持って一番いい結果が出せるように頑張れたらと思います。

――そのための作戦は考えていますか?
福永 考えてないです。僕は基本的に枠が出てからしか考えないので。枠が出て、並びを見てみないと(それまで考えていたとしても)ガラッと変わるので。基本的に佐々木オーナーと友道調教師は乗り方に関してはジョッキーに一任してくれるので、そのへんは枠が出てから考えます。あとは馬場状態を見て考えていきたいと思います。

――枠の希望は?
福永 与えられた条件下でやるのが競馬だと思いますから。希望したからといって、そのとおりになるわけではないので。

――天皇賞(春)については?
福永 非常に名誉のあるレースですし、個人的には獲りたいタイトルではありますが、競馬はあくまでも馬が主役。シュヴァルグランはGIIまでは勝っていますが、まだGIを獲っていないので、今年はぜひ彼と一緒にGIタイトルを獲りたいという気持ちが強いです。今回もチャンスがあると思うので、一生懸命頑張りたいと思います。

――最後に抱負を。
福永 非常に順調にきていますし、1回使われて体調も良化しています。強力な相手はいますが、自信を持って臨んでいきたいと思います。応援よろしくお願いします。


シュヴァルグランを管理する友道康夫調教師

――阪神大賞典を振り返ってください。
友道 順調に牧場から帰ってきまして、調整もうまくいきました。競馬の内容もこの馬にとっては100%自分の力を出せたと思います。強い馬にマークされるかたちになって最後は少し差はあいたのですが、内容は良かったと思います。

――その時点では勝ち馬が強かったかな、という印象ですか?
友道 どれくらい力の差があるかと思っていましたが、あの時点では差がありましたね。今回、その差を詰められればいいなと思います。

――昨年と同じローテーションで挑みますが、この中間の調整具合は?
友道 昨年は放牧に出しましたが、今年はこちらで調整しました。

――先週、先々週はCWでビッシリ追われましたね
友道 1週前、2週前は併せ馬で、馬場でしっかり負荷をかけて長距離に対応できる調教をしました。もともと調教ではそれほど動かない馬でしたが、しっかり動いてくれて状態も上がってきていると思います。

――今週は坂路での追い切りでした。
友道 今週はある程度負荷をかけつつ、競馬で疲れを残さないように仕上げました。

――これまで友道師の青写真通りにきている、と。
友道 本当に天皇賞に向けていいかんじで出走できると思います。昨年よりメンバーも若干強くなっていますが、頑張れると思います。

――昨年の天皇賞(春)はいかがでしたか?
友道 頑張ったと思います。

――昨年と比べて変化は?
友道 見たかんじ、体つきもシャープになりました。昨年は力で押し切る感じでしたが、今年はキレもあってシャープさが出てきたと思います。

――今回、相手にはキタサンブラックサトノダイヤモンドがいます。
友道 本当に強いですよね。でも、出るからには1着を目指します。スタッフもみんな頑張っています。

――母馬はいろんなタイプの馬を産んでいますね。
友道 兄弟、全然印象が違うんです。お父さんの特徴をうまく出してくれる繁殖だと思います。

――そうするとこの馬はハーツクライの特徴が出ている、と?
友道 そうですね。距離も持ちますし、お父さんの特徴が出ていると思います。

――非常にいい状態で天皇賞(春)を迎えられるといってよろしいですか?
友道 持っている力を100%出せる状態だと思います。

――当日の条件ですが、希望はありますか?
友道 みんな一緒の条件ですが、競馬は晴れた絶好の馬場でやりたいですよね。

――最後にひとこと。
友道 本当に今年の天皇賞(春)のメンバーはすごい馬が集まりました。当日はぜひ競馬場に足を運んでください。僕も天皇賞(春)を楽しみにしています。

(取材・写真:花岡貴子)

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る

      ニュースを探す