3歳馬によるハンデ重賞、ラジオNIKKEI賞(GIII・福島芝1800m)に美浦から出走する各馬について、追い切り後の関係者のコメント。

■ライジングリーズン(牝3・美浦・奥村武)について、奥村調教師。
「前走の桜花賞(GI・8着)後、ひと息入れてグンと馬が良くなってきました。トモがしっかりしてきて、腰周りにも筋肉が付くなど、頼りなさがなくなってきましたね。前走はスタートのタイミングが合わず、向正面で囲まれる形になり、上手にさばけませんでした。それでも最後は伸びてきましたし、収穫のあるレースでした。

　1週前追い切りではややモタついていましたが、それも想定内でした。今日の追い切りの動きは良かったですし、ハンデの55キロも想定内だったので良かったです。小脚を使う馬なので、コーナーでの加速がうまくできます。他馬が加速できないところで加速できるので、小回りは合うでしょう」

■セダブリランテス(牡3・美浦・手塚貴久)について、石川裕紀人騎手。
「前走の早苗賞(3歳500万下・1着)で、実戦では初めて乗りましたが、調教には結構乗っていたので、どれだけ動くのかなどレースのイメージを持つことができました。期待通りに走ってくれましたし、完勝だったと思います。先週と今週の追い切りに乗りましたが、前走前の追い切りに乗った時と比べて、良くなっています。ダートとはいえ中山をこなしていますので、右回りも大丈夫でしょう。

　これまでも前目の位置で競馬をしてきましたが、今回は開幕週なのでやはり前めで運べればと思います。将来性がありますし、重賞でもチャンスは十分あると思います。自分自身も初重賞制覇がかかっていますので、楽しみにしています」

■マイネルスフェーン(牡3・美浦・手塚貴久)について、手塚調教師。
「先週はウッドチップコースで追い切りましたが、少しやり過ぎたので、今週は53秒くらい(坂路)で良いでしょう。前々走(青葉賞・GII・9着)は休み明けでしたし、前走(日本ダービー・GI・16着)は調子は良くなってきていましたが、道中力んでしまいましたし、後ろからの競馬になって展開が向きませんでした。今回は出たなりで競馬をすると思います。小回りもうまいと思いますよ」

■ニシノアップルパイ(牡3・美浦・中舘英二)について、中舘調教師。
「前走(プリンシパルS・OP・5着)は距離が長かったですが、思った以上の競馬をしてくれましたし、十分だったと思います。前走後は放牧に出して、戻ってきてからもここを目標に順調に思った通りの調教ができています。ある程度調教をやった方が良い馬なので、そのように調教パターンを変えて一時のスランプを抜け出しました。今日の動きも良かったですね。福島コースは初めてですが、中山の1600mにも対応しているので恐らく大丈夫ではないかと思います。

　ゲートに問題のある馬ではないですけど、スタンド前のスタートなのでそのあたりはやってみないとわからないですね。切れる脚がないので、時計の速い馬場はどうかなというのと、極端に上がりが速いと分が悪いので、淡々とした流れの方が良いですね。スムーズな競馬をさせたいです。勝ち負けはもちろんですが、距離など今後どのような路線で行くのか、今回の結果で方向性が見えるのではないかと思います。そういう意味でもどんな競馬をしてくれるか楽しみですね」

■ウインガナドル(牡3・美浦・上原博之)について、上原調教師。
「前走(夏木立賞・3歳500万下・1着)は逃げる馬がいなかったので、押し出される形でハナに立ちましたが、逃げなくても競馬はできる馬です。今日は終い重点の追い切りをして、競馬モードにさせました。先行する馬なのでピリッとさせたかったですし、反応も良かったです。馬がしっかりしたことで、問題なく追えるようになってきていて状態も良いです。

　逃げなくても競馬はできますし、開幕週なので展開次第ではハナを切っても良いと思いますが、流れに合わせた競馬をさせたいですね」

■ビービーガウディ(牡3・美浦・久保田貴士)について、久保田調教師。
「前走(新緑賞・3歳500万下・1着)では、想像以上の切れ味を見せてくれました。速い上がりのイメージはなかったですが、馬が力をつけているのでしょう。今日は併せ馬の内に入る形で追い切りました。先週もしっかり追い切っていますし、やるごとに良くなっていますね。ハンデはこのくらいかなとも思っていましたし、器用に立ち回れるので、小回りの福島で期待しています」

■ロードリベラル(牡3・美浦・尾形和幸)について、尾形調教師。
「追い切りで強くやってしまうと実戦でイレ込むので、今日は軽めの追い切りでした。能力的に良いものを持っていますし、状態もとても良いので、あとは気持ちの面でのコントロールが重要ですね。レース前の落ち着きが鍵になるでしょう」

(取材・写真：佐々木祥恵)