ジュエルアラモード“馬”生最後の?メイチ勝負に注目/トレセン発秘話

東京スポーツ

2017年08月17日(木) 20:15

「終わってみれば、最悪の展開になってしまいましたね。前日から降り続いた雨に嫌な予感はあったんですが…」

 先週のGIIIエルムSで7着に終わったピオネロ(2番人気)の大渡祐一助手が、週明けの札幌で肩を落としていた。レースは従来のレコードを0秒8更新する破格の1分40秒9でロンドンタウンがV。むろん過去の優勝馬よりも格段に強かったわけではなく、同日の未勝利が1分43秒台で決する高速馬場。上位3頭が[3]、[2]、[1]という4角通過順が示す通り、スピード勝負への対応力がすべてだったと言えよう。

「レース後のダメージは果たしてどれほどか。結果が出なかったことより、気になるのは今後です」

 こう語ったのは昨年2着から今年は12着と結果が暗転したクリノスターオーの中塚健一助手。芝・ダートを問わず、馬場がスピード化すればするほど馬にかかる負担は大きくなるもの。函館開幕週はレコード連発の芝に関係者から不満の声が漏れたが、高速化が進む札幌ダートにも一考の余地は残されよう。

 さて、そんな影響もあるのだろうか。例年は登録馬であふれ、除外ラッシュとなる日曜(20日)おおぞら特別(ダ5ハロン)に今年は異変が起きた。登録はフルゲート割れの11頭。これまで節的に厳しかった2函・噴火湾特別(ダ5ハロン)からのリベンジまで可能な状況だ。

「混むイメージがあり、あえてムダ打ちを避けてここ一本に調整したんですけどね。軽度の骨折があったとはいえ、これなら5か月も休む必要はなかったな(笑い)」

 同レースに登録したジュエルアラモードを担当する山中良太助手はこう言って頭をかいたが、それだけこの一戦にかける思いも強いのだろう。

「基本的に左回りは走らない。なおかつベストは5ハロン。その意味では年齢(5歳)的にもここがこの馬にとって最後のチャンスかも。小倉で500万を勝った時は輸送熱が出て万全ではなかったけど、今回は無事にクリアしてくれたし、馬をピリッとさせるため前日も気合をつけるつもりでいます」と同助手。

 1000万条件では夏場のみ行われる極めて希少なダート5ハロン戦。今年の馬場ならレコード更新も十分ありそうだが、それに備えるシフトを敷く同馬のメイチ勝負に注目したい。

 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

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