前走負けたあの馬の巻き返しを期待/天皇賞・秋展望

2017年10月24日(火) 06:00

毎日王冠は負けた組の巻き返しに妙味がある(撮影:下野雄規)

 長距離路線の衰退に伴って、春の天皇賞の権威の低下が懸念されているが、秋の天皇賞についても同じことが言える。ジャパンC有馬記念が1着賞金3億円であるのに対して、天皇賞は1億5000万円。ジャパンC有馬記念を本気で獲りに行く馬たちには、天皇賞は「叩き台」として利用される傾向が顕著になっている。
 
1.先行押し切りは至難の業

 過去10年間、逃げた馬は全敗。4コーナー3番手以内まで広げても、馬券圏内に入ったのはイスラボニータ(2014年)、ジェンティルドンナ(2013、14年)、ダイワスカーレット(2008年)だけで、力のある先行馬がやっと2、3着、というのが秋の天皇賞の傾向。

2.数少ない58kgレース

 天皇賞では、古馬牡馬は馬齢重量58kgを背負う。宝塚記念安田記念とともに、いまでは数少ない58kgレースになっている。58kgを背負っての実績が重要なポイントとなるのはもちろんだが、56kg以下で出走できる3歳馬や牝馬が上位争いできる原因のひとつにもなっている。

3.毎日王冠は負けるが勝ち

 過去10年で毎日王冠の勝ち馬が秋の天皇賞に出走したことは8回あるが、連勝したのは2009年のカンパニーただ一頭。人気以上の着順に走ったのもカンパニーだけ。2012年は毎日王冠で9着に敗れたエイシンフラッシュが天皇賞を勝利して、一昨年は毎日王冠7着のステファノスが天皇賞2着。中2週と間隔が詰まっていて連続好走が難しいローテーションでもあり、むしろ負けた組の巻き返しに妙味がある。


 毎日王冠で8着に敗れた3歳牝馬ソウルスターリングを見直したい。毎日王冠は3F32秒台の末脚が要求される流れでこの馬には不向きだったし、初めて逃げる形の競馬になって集中力が途切れた面もあった。天皇賞であそこまで上がりが速くなることは想定しづらいし、目標になる馬もいて競馬はしやすくなる。

 藤沢和雄調教師は、これまで毎日王冠3勝に対して秋の天皇賞は5勝。3歳牝馬では、秋華賞で4着に敗れたダンスインザムードを中1週で天皇賞に挑ませて2着した実績もある。秋の天皇賞5勝のうち、前走も勝っていたのは神戸新聞杯から挑んだ2002年のシンボリクリスエスだけで、残りの4回はいずれも前走で星を落としていた。秋の天皇賞の勝ち方を熟知した名調教師の、本番に向けての修正の妙技に期待したい。

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