ナンヨーイザヨイ 昨年6着プランタンのリベンジを/POGマル秘週報

東京スポーツ

2018年07月18日(水) 18:30

函館2歳Sに出走予定のナンヨーイザヨイ(c)netkeiba.com

 かつてはフィフスペトル(08年)やアイムユアーズ(11年)など1、2着馬が古馬になってからの重賞戦線で活躍するケースが多く見られた函館2歳Sだが、函館開催が計6週に短縮された12年以降は少々様相が変わってきた。

 14年アクティブミノル、15年ブランボヌールが後に重賞を勝ったが、いずれも3歳時。12年ストークアンドレイ、16年レヴァンテライオンに至っては2階級降級しての1000万下も勝てず…。古馬になって再び花を咲かせるケースは極めてまれになりつつある。

 そもそも出走可能馬の絶対数が少ない世代最初の重賞ということで、近年はメンバーの質にもやや疑問が生じ始めた印象は否めないが、キャリアの浅い馬たちの争いならではの馬券的面白さが介在するのもまたしかり。その要因のひとつに臨戦過程があると当欄は考える。前述アクティブミノルは5週目の新馬戦から連闘V。昨年のカシアスも未勝利勝ちから新馬戦で負けた勝ち馬を逆転しての優勝を遂げた。そこで今回は2頭の有力馬にスポットを当てたい。

 まずは函館開幕週に新馬勝ちしたナンヨーイザヨイ。好スタートを決めて2番手から直線で楽に抜け出した勝ちっぷりが光った。中4週のレース間隔となるため短期放牧を挟んで調整されているが、最初に栗東に入厩したタイミング→函館入り→新馬V→ノーザンファーム空港牧場への放牧→函館への再入厩と全てが昨年の当レースに出走し6着に敗れた同厩ナンヨープランタンと全く同じという。

 もちろん担当者の額田助手も同じで「去年は負かした馬に負かされてしまいましたからね」と前述カシアスの例を引き合いに出して苦笑いする。それゆえに「個人的なイメージだとキャリア1戦と2戦とでは違うのかなって気持ちもあるんですけど厩舎としてはベストだろうと狙ったローテ。順調にきていますし1週前追いは少し重い感じもしたけど直前のひと追いできっちり仕上がると思います」

 昨年のナンヨープランタンは当時乗るたびに千二はどうかなという気持ちが強くなった(実際に近2走は10ハロンに出走)というが「上手に競馬ができるし馬場が渋っても苦にしない。チャンスはあると思う」と例年以上に降雨の影響を受けている馬場状態も歓迎する。

 一方のアスターペガサスは2週目の新馬戦を2着に2馬身半差の快勝。4、5着馬が次走で勝ち上がったことでレベルの高さも裏づけた。こちらは放牧は挟まず在厩のまま調整されたためナンヨーイザヨイとは少々過程が異なるが「疲れが出たので1週間ほど楽したのがちょうど良かった」と担当の木野助手はゆったりローテを歓迎。「前につけて(直線で)はじけるだけっていう優等生ぶり。器用さが最大の強みですね。栗東にいる時は逍遥馬道を歩けないくらいなんですが、こっちだとすごく落ち着いています」と環境面の利点も強調する。

 デビュー戦の前から追い切りには函館を主戦場にしている小崎が騎乗。「スピードに乗ってからいい動きをする馬。前向きさがあって抜け出す時の脚が速いからコースも合うんでしょうね。新馬戦を勝った後は未定だったんですけど、続けて乗せてもらえることが決まってありがたいです」と自身にとっての初重賞制覇に闘志を見せる。

 一般論としては理想的と思える臨戦過程の両馬。果たしてどちらに軍配が上がるか、はたまた別路線組の台頭があるのか。今週末は2歳世代初のフレッシュ重賞を大いに堪能したい。

(立川敬太)

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