【神戸新聞杯】ワグネリアン圧巻V 代打騎乗・藤岡康、通算500勝に花添えた

デイリースポーツ

2018年09月24日(月) 06:02

 横綱相撲で堂々と抜け出すワグネリアン(中央)=撮影・石湯恒介

 「神戸新聞杯・G2」(23日、阪神)

 鮮やかなV発進だ。2番人気に推されたダービー馬ワグネリアンが、豪快な差し切りで重賞3勝目。落馬負傷した福永の代打を務めた藤岡康が大仕事を果たし、自身のJRA通算500勝達成に花を添えた。上位3頭までに菊花賞(10月21日・京都)の優先出走権が与えられたが、次戦は天皇賞・秋(10月28日・東京)に目標を定め、古馬撃破を狙う。なお、1番人気の皐月賞エポカドーロは4着に敗れた。

 最後はダービー馬の意地だった。中団を追走し、4角手前で外から進出したワグネリアン。藤岡康が直線半ばで左ステッキを放つと、一気に末脚を加速させた。それでも、逃げたメイショウテッコンの驚異的な粘りで、なかなか差が詰まらない。懸命に手綱を押して相棒を鼓舞し、残り50メートル過ぎにようやく先頭へ。最後は大外を強襲したエタリオウを半馬身差で制し、歓喜のゴールへと飛び込んだ。

 落馬負傷した福永の代役を果たし、鞍上に安堵(あんど)の笑みが浮かぶ。「ダービー馬だし、自信を持って乗りました。行きたがるところもあって決してうまくは乗れなかったですが、馬の力に助けられました。最後はダービー馬の根性を見せてもらいました」。この勝利で、自身のJRA通算500勝も達成。「いいタイミングで勝たせてもらいました」と周囲に感謝した。

 調教での騎乗経験があったとはいえ、実戦は初。ダービー馬の秋初戦を託された重圧を和らげたのは、主戦・福永との電話だった。「レースでのテンションや普段との違いを教えていただきました」。助言を生かして結果につなげた鞍上を、金子真人オーナーは「本当に康太くんが上手に乗ってくれた。祐一くんの穴を埋めてくれた。褒めておきました」と手放しでたたえた。

 今後は、福永とのコンビ復活で天皇賞・秋を目指す。距離適性を考慮してのもので、友道師は「オーナーと話して決めました。東京二千は一番合っていそう。(きょうは)今後に弾みがつく勝利でした」と古馬との初対決に自信をにじませた。18年ぶりのクラシックホースの激突に沸いた一戦を制し、手にした自信。世代の代表としての誇りを胸に、現役最強馬への階段を駆け上がる。

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