【日本ダービー】瀬戸口元調教師の馬体診断

2017年05月26日(金) 21:39 1 2

 ネオユニヴァース、メイショウサムソンで日本ダービー2勝を挙げた元JRA調教師の瀬戸口勉氏(80)が、日本ダービー出走馬を馬体診断。最もほれ込んだのは3連勝で青葉賞を制したアドミラブルだ。2番手以降にはサトノアーサー、アルアインなどを取り上げた。

 すべてのホースマンが目指す日本ダービー。各陣営がこのレースに照準を定めて完璧に仕上げてきており、なかなか甲乙つけがたいが、馬体を見て青葉賞を制したアドミラブルにほれた。

 510キロもあるとは思えないバランスの良さ。筋肉に張りがあり、無駄なところがなく研ぎ澄まされた印象だ。飛節の角度も理想的で、胸前の力強さも強調できる。胴が長めですっきりしていて、いかにも長距離向きだ。血統の配合も魅力的。父がディープインパクトで、母系には底力のあるトニービン。体形的には(母の父)シンボリクリスエスの方が出ている印象だが、父と母のいいところを受け継いでいる。皐月賞組と比較しても、引けをとらないポテンシャルがあり、馬体からスケールの大きさを感じる。

 サトノアーサーは、全体のバランスが理想的で、非常に好きなタイプ。幅があって、中身の良さが出ている。十分に間隔を取ってきっちり仕上げてきており、筋肉が浮き出て毛づやの良さも目立つ。距離的にどうかだが、全身から筋肉の柔らかさとバネを感じるし、府中の良馬場は合うだろう。

 皐月賞馬のアルアインは一見すると、やや短距離向きの体形にも映るが、胸前にボリュームがあり心肺機能が高そう。後肢にもすごくいい筋肉がついていて、馬体に力強さがあふれている。皐月賞は勝負どころで手応えが鈍かったが、そこから伸びたのは勝負根性と精神力の強さだろう。

 スワーヴリチャードは、ハーツクライ産駒らしく、ゆったりした馬体のつくりで、広い東京コース向きと思える。前走時より輪郭がくっきりして、体に締まりが出てきたのもいい。

 ペルシアンナイトは、やや胴が詰まった感じがあるので、距離が延びるのがどうか。ただ、筋肉に柔らかみを感じるし、毛づやや馬体の張りも目立つ。

 レイデオロは柔らかそうで、顔つきもいい。ただ、肩の傾斜がやや立ち気味で、少し頭も高い。こういう馬はストライドが伸びにくく、中長距離向きとは言いにくい。そのあたりが、最後のひと伸びにどう影響してくるか。 (元JRA調教師)

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