伝説の域にまで到達するAPオブライエン師

2017年09月22日(金) 14:34 0 2

先日行われた第241回セントレジャーステークスはAP・オブライエン厩舎のCapriが勝利。これにより英国クラシック勝ちを29に伸ばし、セントサイモンの調教師として知られるMドーソン師の28勝を抜き歴代単独3位に躍り出た。

40勝 ジョン・スコット(1794-1871)
35勝 ロバート・ロブソン(1765-1838)
29勝 AP・オブライエン(1969-
28勝 マシュー・ドーソン(1820-1898)
25勝 ヘンリー・セシル (1943-2013)

現在もっとも多くクラシック競走を勝利しているJスコット師は「北の魔術師」と呼ばれた伝説的調教師で、イギリスで初めて3冠という概念を形成したWest Australian 、ジョージ?世ら王室が所有していたThe Colonel、種牡馬の帝王Stockwellの父The Baronなどがいる。同師が打ち立てたセントレジャー16勝という記録は未だ破られていない大金字塔だ。

2位のRロブソン師も競馬史にその名を轟かす大人物であり、別名「調教師の帝王」。もっとも有名な管理馬はWaxyとWhalebone両ダービー馬父子であり、この血脈はアイルランドに渡った後、前述したThe Baronへと繋がる。
このサイヤーラインが現代サラブレッドのおよそ8割が属していると言われている「ファラリス系」の源流であることでも良く知られる。
牝馬に強く、オークス13勝、1000ギニー9勝は共に更新されていない記録で、特に後者が凄い。
1818年Corinneから23年Zincまでの6年間。24年は後の世でマルセル・ブサックにより手がけられ、アメリカ現代競馬の礎とも呼ぶべき「ラ・トロワンヌ牝系」の先祖であるCobweb に後塵を拝してしまうが、その後も25〜28年と3連覇を成し遂げており、わずか10年で9回もの1000ギニー勝利を手中に収めている。
このクラシック6連覇は競争激しい現代競馬において、恐らくもっとも更新が困難な記録と言って差し支えないだろう。

20世紀に最も活躍した一人のセシル師に並んだのは昨年のことであるが、蓋をあけてみたら今年だけでChurchill , Winter, Wings of Eagles, そしてCapriと4勝の固め打ち。
若くしてバリードイル調教場を引き継ぎ、10月で48歳となる同師が目指すのは歴史上誰も成し得なかった「神の領域」であるのは明らかだ。

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