【特別対談】M・タバート氏×岩田康誠騎手“メルボルンC”を語りつくす!(1)

2015年10月30日(金) 12:02

海外競馬通信

▲馬主のM・タバート氏と岩田康誠騎手が“メルボルンC”を語りつくす特別対談!

11月3日にオーストラリアで行われるメルボルンCに、今年はフェイムゲームとホッコーブレーヴが参戦します。そこで今回は、メルボルンCをさらに楽しむために、デルタブルースに騎乗して優勝経験のある岩田康誠騎手と、オーストラリア出身でハナズゴールなどのオーナーで知られるマイケル・タバート氏の特別対談をお届けします。メルボルンCとは? そして、世界の舞台で勝つための信念を語っていただきました。(取材・文:赤見千尋)


オーストラリアで日本人と言えば“岩田康誠”

――メルボルンCは国をあげてのお祭りのような雰囲気だそうですが、具体的にはどんな感じなんでしょうか?

岩田:僕は2006年にデルタブルースで勝たせていただきましたが、もう本当にすごかったです。現地では英雄扱いしていただきましたから。

タバート:それまでオーストラリア人の中で、日本人で一番有名なのは“ジャンボ尾崎さん”だったんですけど、デルタブルースで勝った瞬間から、日本人と言えば“岩田康誠”ってなりました。メルボルンCは出走するだけで名誉なことですけど、勝ったら本当にヒーローですよ。

岩田:ブリスベンの空港に下りて、乗り継ぎの時に係員の人にパスポートを見せたら「お前、メルボルンCに乗るのか?」「おお! すごいじゃないか、このレース乗るだけですごいんだぞ、勝ったら英雄だぜ」みたいに言われたんです。その時も驚いたんですけど、勝ったあとが本当にすごかった。

どうヒーローになるのかなと思っていたら、寝て起きて、ご飯を食べようと思ってホテルの部屋を出た瞬間から、オーストラリアの人全員から「ワー!」って寄ってこられたんです。食事に行っても買い物に行っても「岩田だ! 岩田だ!」「写真撮ってくれ」って。帰りの空港でも飛行機の中でも続いていたんですけど、日本に帰って来たらそんなに盛り上がってなかったですね(笑)。

――日本は日本で盛り上がっていましたよ。

岩田:いやいや、全然違いますよ。オーストラリアでは新聞の一面でしたからね。上から下から全部載ってました。でも日本の新聞の扱いは小さかったな。日本に帰って来た途端、シーンみたいな感覚でした(笑)。

海外競馬通信

▲岩田「オーストラリアでは新聞の一面だったのに、日本ではシーン(笑)」

タバート:メルボルンCは本当に特別なレースで、日本の競馬の雰囲気とはまったく違いますね。メルボルンがあるビクトリア州は、メルボルンCの日が祝日になっているんですけど、他の州も全国的にみんな仕事しないです(笑)。12時になったらランチに行ってそのまま帰って来ないんですよ。ランチしながらみんなで飲んで、みんなでメルボルンCを見るんです。その日はどこの店も満員なので、半年前から予約しないと取れないくらいです。

岩田:メルボルンはこの時期けっこう寒いんですけど、それでもみんな薄着でドレスアップして、帽子を被っているんです。その日はメルボルンの帽子屋さんから帽子がなくなるって言われるくらい、みんな被っているんですよ。前日にはパレードがあって、馬車に乗って1枠の馬の関係者から順番にパレードするんです。馬主や調教師や騎手が乗るんですけど、馬車が通るので道は通行止めになるわけで。

タバート:僕は小学生の頃から毎年教室でメルボルンCを見ていました。もちろん馬券は買えないけど、みんな応援する馬が決まっているんです。24頭も出走するので、勝つ馬だけじゃなくて例えばベベになる馬を予想したりして。馬券を買わなくてもみんなが楽しめるゲームみたいな、全国民が参加するお祭りのような感じです。

前のレースで「最悪な騎乗」と酷評され…

――岩田騎手は海外初騎乗でメルボルンCを制覇、本当に快挙でしたね。

岩田:あり得ないでしょ。右も左も馬場もわからず、不安しかなかったです。・・・

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