【特別企画】角居勝彦師が目指す「引退馬たちの未来」(2)

2015年12月22日(火) 17:59

(前半のつづき)

馬たちに恩返しするために一歩一歩進んでいきます。

赤見 まずは、ホースマンとしての関わり方を教えて下さい。

山本 競走馬を扱うホースマンには、登録抹消する馬の情報をホースコミュニティに上げてもらいます。その後、リトレーニング施設で乗馬への転用調教を積み、乗馬クラブへ引き渡すという形になります。乗馬クラブへ引き渡した後も、名前を変えたり他のクラブへ転売しないという約束のもと、月々の金銭的なサポートを行っていく予定です。

角居 このプロジェクトに関しては、競馬サークルの中でかなり共感してくださる方が多いです。馬主、クラブ法人、調教師など、実際にもう何頭も連絡を受けていまして、「いつからプロジェクトが始まるんだ」「早く始めてくれ」と言われているくらいで。ただ、現状難しいのはリトレーニング施設が少ないということです。これまでは需要が少なかったわけですから、馬に乗れる技術がある人たちは、競馬か乗馬で生計を立てている。宙ぶらりんでいる上手な馬乗りがいないんですよね。でもこのプロジェクトが浸透していったら、リトレーニングで生計を立てられるようになりますから、そうしたら新たに参入して来てくれる人もいると思います。

山本 それに、引受先の乗馬クラブに苦情が行かないように配慮しないといけません。

角居 例えば僕がやっても、リーディングの上のトレーナーがやっても、どうしても壊れてしまう馬がいます。もちろん、順調に行くための努力は惜しみませんが、そういう部分も理解していただいた上で、馬たちと触れ合い見守って行く形が理想です。そのために、引き渡し後も乗馬クラブと関わって行くことが大切だと思っています。乗馬クラブとの連携が大きくなればなるほど大きな流れが作れるはずですから。一度始まったらコケるわけにはいかないので、慎重に進めたいと思っています。

ノンフィクション

▲「引受先の乗馬クラブへの配慮も必要」と語る角居調教師と山本さん

赤見 競馬ファンの参加というのは?・・・

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