2016年02月19日(金) 18:00
かつてスタンドだった場所にオープンしたマーケットスクエア川崎イースト
競馬場に隣接の施設ということでは、ばんえい帯広競馬場の『とかちむら』があるが、大型の複合商業施設が競馬場と気軽に行き来できる場所にできたというのは、日本では初めてのこと。
マーケットスクエア川崎イーストは、1〜3階が、スーパー、飲食店、ドラッグストア、百均、衣料品などの店舗のほか、マッサージ、整体、鍼灸、歯科、美容院なども入っている。そして4階・5階・屋上が駐車場(440台)となっている。
昨年春ごろに取材させていただいたときに、その施設から基本的には競馬を見ることはできないと聞いていた。たしかに競馬場側にはほとんど窓がなく、建物の中から競馬場を見ることはできないのだが、1階のコース側エントランスを出るとそこは目の前が4コーナーから直線入口で、馬蹄形のベンチもある。そして何より4階の駐車場には展望テラスがあり、そこからはコース全体を一望できることにはちょっと驚いた。
展望テラスからの眺め。コース全体を見ることができる
もちろんマーケットスクエア川崎には馬券を買ったりレース映像を見たりという設備はないのだが、今やスマホやタブレットでオッズを確認して馬券が買えてレース映像も見られるという時代だ。川崎競馬開催中、ネット投票ユーザーなら、その4階展望テラスからでも十分に競馬を楽しむことができそうだ。
またこれらに合わせ20日には、川崎競馬場内馬場の芝生広場には、全長18m、高さ4m、幅8mの、滑り台やネットなどの大型遊具が設置される。マーケットスクエア川崎からは、隣接する競馬場の第一入場門(無料送迎バス乗降場のある入場門)側に、馬場を横断して最短距離で馬場内へ行き来できる仮設通路が設置されるとのこと。これによってショッピング施設、競馬場、内馬場の広場がつながり、川崎競馬場はまさに家族で半日〜1日を楽しめる施設ということになりそうだ。
話は逸れるが、競馬場の内馬場ほど小さな子供たちにとって安全な場所はないと思う。車ばかりでなく自転車などの往来もない。幼稚園や小学校と同じように囲われた空間で、しかもおそらくそれらより広い。都市部で小さな子供たちをのびのび遊ばせておくには、これ以上の環境はないといってもいいほどだ。
川崎競馬場はJRAのWINSとしても稼働しており、もちろん自場の非開催日には南関東をはじめとした地方競馬の場外発売も行われていて、ほぼ365日馬券発売が行われている。競馬場と複合商業施設が同居することで、人の動きがどれほど変わってくるものか、競馬場のみならず公営競技全体の今後のあり方を示すモデルケースとなるかもしれない。
そして川崎競馬場では今年、マーケットスクエア川崎のオープンをアピールすることで、JBC開催を誘致した。競馬場にもマーケットスクエア川崎にも、おそらく多くの人が訪れるであろう11月3日のJBC開催が楽しみだ。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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