2016年04月29日(金) 18:00
◆新種牡馬の産駒が7戦のうち4勝
地方競馬では、4月20日のホッカイドウ競馬から今年も2歳戦がスタート。昨年から南関東でも2歳戦の開始が早まり、大井、浦和でもすでに2歳新馬戦が行われている。
日本で最初に行われた2歳新馬戦、門別のJRA認定スーパーフレッシュチャレンジは、1年前と同様、2歳戦で際立った活躍を見せる角川秀樹厩舎と田中淳司厩舎の一騎打ち。昨年は田中厩舎のプレイザゲームがハナ差で競り勝ったが、今年は角川厩舎のバンドオンザランが、田中厩舎のタイセイプロスパーを3/4馬身差でしりぞけた。新種牡馬、スズカコーズウェイの産駒が今年最初の2歳新馬勝ちとなった。
今週までに地方競馬(ばんえいは除く)で行われた2歳新馬戦の、勝ち馬(厩舎)/父馬名は、以下のとおり。
4/20門別 バンドオンザラン(角川)/スズカコーズウェイ 4/22大井 ミサイルマン(森下)/カネヒキリ 4/27門別 ラブミーファルコン(角川)/スマートファルコン 4/28門別 コパノアーデン(田中淳)/スウェプトオーヴァーボード 4/28門別 リシュリュー(角川)/トビーズコーナー 4/28浦和 シェナトウコン(冨田敏)/スマートファルコン 4/28浦和 ミリオンゴッド(小久保)/トーホウエンペラー
まだわずか7戦ではあるが、様々な傾向が読み取れて興味深い。
門別の4戦では、角川秀樹厩舎が3勝。昨年、門別競馬場で行われた2歳重賞11戦のうち、交流JpnIIIも含めて8戦を角川厩舎所属馬が勝利したが、今年もその勢いは続いているようだ。
そして種牡馬では、スズカコーズウェイに続いて、スマートファルコン産駒が2勝、さらにトビーズコーナーと、新種牡馬の産駒が7戦のうち4勝を挙げている。スズカコーズウェイは、重賞では京王杯スプリングCを勝ったのみという実績だが、父がジャイアンツコーズウェイ、母も北米重賞勝ち馬という血統が買われて種牡馬入りしたのだろう。トビーズコーナーは北米で3歳時にGI(ウッドメモリアルS)勝ちがある輸入種牡馬だ。
現役時、GI/JpnI・6勝を含むダート重賞19勝というスマートファルコンの種牡馬としてのいきなりの活躍はすばらしい。ちなみに初年度のこの世代は164頭に種付けされ、99頭が血統登録されている。
その父ゴールドアリュールは、スマートファルコンの他に、コパノリッキー、エスポワールシチー、オーロマイスター、クリソライトというGI/JpnI勝ち馬が産駒にいて、ダートで活躍した内国産馬としては初めてと言っていい大成功を収めた種牡馬。サラブレッド総合の種牡馬ランキングでは、2014年は5位、2015年は6位に入っている。
そしてここまで新馬戦7戦の勝ち馬の種牡馬には、スマートファルコン、カネヒキリ、トーホウエンペラーという、ダートのチャンピオン級の活躍馬が並んでいる。かつてであれば、ダートでの活躍馬が種牡馬として成功するようなケースはほとんど見られなかったが、中央と地方の交流が進んでダート路線が充実したことによって、ようやく血統面でもダートの活躍馬が芝の活躍馬と遜色のないレベルになったといえそうだ。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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