2016年09月07日(水) 18:01
▲新人・坂井瑠星騎手との対談第3回。この機会に瑠星騎手が佑介騎手に聞いてみたかったこととは?
今回の対談にあたっては、ゲストの坂井瑠星騎手からも佑介騎手に聞いてみたかったことがあるそうで。「レース前に細かく作戦を立てるほうですか?」という質問から始まり、今一番悩んでいることを告白。これまで数々の後輩ジョッキーの相談相手を務めてきた佑介騎手が、自身の経験も踏まえて丁寧に答えていきます。最後には、競馬界で生き抜くための貴重なアドバイスも。(取材・構成:不破由妃子)
(前回のつづき)
──今日は、瑠星くんからも佑介さんに聞いてみたいことがたくさんあるようで。
瑠星 はい、たくさんあります。佑介さんは、レース前にこういう競馬をしようと細かく作戦を立てるほうですか?
佑介 今はそうだね、レースの組み立てはしっかりやってる。一時期、やりすぎてもどうなのかなと思ってやらなかった時期もあったけど。
瑠星 僕、けっこう考えすぎてしまっている気がして…。“この馬はこうだからこうして”とか、固定概念に縛られ過ぎてしまうというか。よくないなと思っているんです。
佑介 固定概念のあるなしではなく、結局、それを臨機応変に切り替えられるかどうかが大事だと思うよ。そもそも、考えすぎているかどうかもわからないし、「考えすぎてる」と思うこと自体が固定概念かもしれないし。
瑠星 そうですね。自分のなかで思っているだけかもしれません。
佑介 いろいろ考えて悩むことは、決して悪いことではないからね。俺も最近、みんなどこまで考えて乗ってるのかなって思うことがある。レースの組み立て方は本当に人それぞれで、そこが一番の企業秘密だから、みんな表に出さないでしょ。俺がよくやるのは、自分が乗らないGIの前の日に、そのGIに乗るジョッキーに「明日はどう乗るんですか?」って聞くこと。そうするとね、ポロッと教えてくれたりする。
──GIに限らず、「どう乗るかはゲートが開いてから考える」っていうジョッキーのコメントをよく見ますが、あれは絶対に嘘ですもんね(笑)。
瑠星 そんなわけはないですよね(笑)。
佑介 瑠星は今、自分の考えに縛られ過ぎてしまっているような気がしてるんでしょ?・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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